グラビア10周年の和地つかさ、紆余曲折の下積み時代「一年中水着なので季節感も分からなくなった」
季節がわからなくなるほどに追い詰められた
――この10年を振り返り、忘れられない出来事についてうかがいたいと思います。 和地 そうだなあ……まず、嬉しかった話はテレビのドッキリにたびたび呼んでいただけたことですね。それ以外の忘れられない話は……哀しい話ばかり(苦笑)。その中でも忘れられないのは、デビュー間もない下積みの頃ですね。初期の活動のメインはセッション撮影会で、朝13時から夜22時、週5~6で働いて、そこでいただけるお給料が3万円だったんです。 そうした生活が2年ほど続いたんですね。もうあまりにお金なさ過ぎて、当時住んでいた荻窪から現場の秋葉原まで徒歩で通っていましたから。その間には舞台もあって、それが原因で大学も中退になっちゃって(笑)。 ――大変ですね。 和地 ですよねえ(苦笑)。このセッション撮影自体も本当に大変で。ずっと個室にいるため、今が何時かもわからないし気候も気温もわからない、ましてや一年中水着なので季節感もわからなくなって。ある日、サンタのコスプレ撮影があって、そこでやっと「今は冬なんだ」って理解していたレベル(笑)。 ――ただ、それでも今もグラビアを好きでい続けられ、10年という長きに渡る活動に繋がっている。決して悪いだけではなかったと。 和地 はい。もう今では笑い話ですし、この経験がなければズルズルと続いてもっと酷い目にあっていたかもしれませんから。そうしたヒドイ目に遭ったり、「お前がダメだ!」って言われ怒られたりしても、「上等じゃないの!」と自分の意思は強く伝えないと、肌を見せる仕事はできないなと思ったんです。 もし納得しないまま仕事しても、それが全世界に広まってしまう方が怖い。それに、その場で強く伝えることで人に嫌われて仕事を失っても、この世の全ての仕事はなくならないわけです。このツライ時期を乗り越えたから、この先は何が起こっても、どうにかできるんじゃないかなって前向きになれました。今振り返ると、この10年間は人としての強さの在り方をたくさん学んだ日々だったなあって(笑)。なので、この学びを活かした活動をこの先はしていきたいなと思っています。 ――紆余曲折ありながらも真っすぐ歩んできた和地さんだからこそですね。その活動、具体的にはどのようなものですか? 和地 グラビアの子たちに「色んな活動しながら、グラビア活動は続けられるんだ」という、姿を見せていける人になりたいなあって考えています。これ、本当に勝手な話なのですけど、「グラビアアイドルが、この先どうあるべきか?」「この活動を通じて、こういう風になれたらいいな」を明確に示せるモデルの母数が、決して多くはないなと思っていて。 私は今ありがたいことに、グラビア仕事を軸にしながら、競輪番組のMCのお仕事をいただいたり、バラエティにもまだまだ呼んでいただけたりと、仕事の幅が色々と広がっています。なので、自分の活動を通じて、「グラビアの子って、やるじゃん!」と思ってもらえるような活動をしていきたいなと思っています。 グラビアの外で活躍できれば、「グラビアの子もちゃんとできるんだ!しかも可愛くて面白い、OKじゃん!」ってグラビアのイメージもアップして、色々と還元できると思うんです。グラビアが好きだからこそ、もっとこの世界に役立つ活動ができればいいなあって。……お前ごときが何言っているんだよ!と思われちゃうかもですが(笑)。
田口 俊輔