後発『ゴゴスマ』に負けることも…それでも『ミヤネ屋』が宮根誠司を切れない「“切実”事情」
午後ワイドショーの“横綱”だった宮根誠司が司会を務める『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)が苦戦している。’15年に関東でも放送されるようになった“後発”のTBS系『ゴゴスマ』(司会:石井亮次)と、視聴率争いで接戦を繰り広げているのだ。 【写真】「意外すぎて…」大沢たかおが”頭ポンポン”…日テレアナと「ツーショット」姿 「’21年ごろから、ミヤネ屋はゴゴスマに負ける日がたびたび出てきた。今もトータルでみればミヤネ屋のほうが優勢ですが、ゴゴスマの追い上げには、激しいものがありますね」(スポーツ紙記者) 最近では『SPA!』が両番組の視聴率などを比較した分析記事を配信し、業界内だけではなく、ネットなどでも話題に。コメント欄には、 《宮根さんがなぜ支持されているのかが不思議になりません。人の話を途中で遮るのはもはや日常茶飯事》(原文ママ、以下同) 《ゴゴスマはミヤネ屋と内容はほとんど変わりないのに石井さんもコメンテーターも穏やかな人ばかりなので、ミヤネ屋と比べて穏やかな気持ちで観る事が出来ています》 など、司会者である宮根への厳しいコメントが、多く見受けられた。 それでも、『ミヤネ屋』を制作する読売テレビ内では、“宮根降板”の話はまったく出ていないという。 そこには東京のキー局である日本テレビでなく、大阪にある系列の読売テレビが制作していることが大きく関係しているという。 「番組名から分かるように、宮根さんを降板させるとなれば、当然ながら新番組をイチから作り直さなければいけない。となると、日本テレビなど系列局との調整も必要になります。その場合、日テレが現在の放送枠を“降りる”“返せ”と言ってくる可能性が非常に高いのです」(読売テレビ関係者) ローカル局が全国ネットの番組を持つことは、局にとって大いに“名誉”なことだ。だが、それ以上に大きいのが“収益”だ。 「全国ネットの番組を制作している局は、それを受ける系列局から“ネット料”を受け取ります。帯番組となれば、その額も莫大です。 ミヤネ屋の場合は、日本テレビや他の系列局からネット料が読売テレビに入ってくる。局にとって、番組としては『ミヤネ屋』が一番儲かっています。だからこそ、おいそれとその枠を手放すわけにはいかないのです」(同・読売テレビ関係者) そもそも、日本テレビはなぜ、14時からの貴重な“2時間枠”を手放したのか……。 『ミヤネ屋』の前番組である『ザ・ワイド』からレギュラー出演していた芸能レポーターの石川敏男氏が、そのウラ事情を明かす。 「日テレと読テレが東京で共同制作していた『ザ・ワイド』の視聴率が徐々に下がり、日テレとしては“もうワイドショーはいらない”という決断を下した。ですが読テレは諦められず、当時、関西ローカルで金曜夕方に放送していた宮根さんが司会の『激テレ★金曜日』をリニューアルし、『ミヤネ屋』にして今の時間に放送を始めたんです」 日本テレビは’07年に『ザ・ワイド』終了後、ドラマの再放送を流したが、視聴率はさらに低迷。一方の読売テレビは、『ミヤネ屋』を関東圏以外の地方局に売り込み、ネット局を拡大していった。 「そんな状況なので、日本テレビとしては系列局の声に押される形で約半年遅れで『ミヤネ屋』をネットすることになったんです。あの番組には『ザ・ワイド』時代からの優秀なスタッフが多かったですし、何より宮根誠司という男は、なんだかんだ言われても、やっぱり数字を持っているテレビスターなんですよ」(同・石川氏) そんな経緯で手放した2時間枠だが、ここにきて日本テレビが虎視眈々と狙っているという。 「実は『ザ・ワイド』などのワイドショーを制作していたコンテンツ制作局ではなく、報道局がその枠を欲しがっているんです。というのも、ザ・ワイドが終わった当時、夕方のニュース枠も安藤優子さんが司会を務めるフジテレビが強く、日テレの数字は良くなかった。 なので、制作費がかかる生放送に見切りをつけたんですが、今はうちの『news every.』の視聴率がトップ。局内としては、14時台から夕方18時終わりまで、報道局制作の報道番組を放送したいという思惑があるんです。そんな事情を読売テレビも分かっているでしょうから、多少苦戦したとしても、宮根さんを降板させられないんです……」(日本テレビ関係者) なんとしてもドル箱の“全国ネット”を死守したい読売テレビと、報道局主導で放送枠を“大政奉還”させたい日本テレビ。何が何でも『ミヤネ屋』を続ける理由は、そんな日本テレビ系列内の裏事情があるようだ――。
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