DeNA・三浦大輔監督、初の正力松太郎賞…球団では前回日本一の佐々木主浩以来
プロ野球の発展に貢献した監督、選手らに贈られる「第48回正力松太郎賞」の選考委員会が7日、都内で行われ、DeNAを26年ぶりの日本一に導いた三浦大輔監督(50)が初受賞した。また米大リーグで史上初の「50―50」(50発&50盗塁)を達成し、ワールドシリーズ制覇も経験したドジャース・大谷翔平投手(30)が特別賞に選ばれた。三浦監督に賞金500万円とメダル、大谷には賞金300万円とメダルが贈呈される。 下克上日本一の余韻が冷めない中、完全休養日だった三浦監督に吉報が届いた。名誉ある正力賞。球団では前回日本一に輝いた98年の大魔神・佐々木主浩以来。指揮官では初めてだ。「大変名誉な賞を受賞することができ光栄とともに感謝申し上げます。選手、コーチ、スタッフが一丸となり受賞できたと思っています」と球団を通じ、喜びのコメントを寄せた。 まさに下克上だ。9月下旬に入り4位から3位に浮上。CS進出圏に滑り込んで3年連続のAクラス入りを達成した。CSでは第1Sで阪神、最終Sで巨人、そして日本Sではソフトバンクを倒し頂点に立った。選考過程ではパ・リーグを独走したソフトバンクの小久保監督を推す声もあったが、最後は日本一監督で落ち着いた。Bクラス危機から一気に頂点へと駆け上がっての“下克上受賞”。選考委員会の座長を務めた王貞治ソフトバンク球団会長も「下克上を成し遂げた三浦監督の手腕は評価に値する。勝負の世界は勝たないといけない」とシーズン最終盤の勝負強さを高く評価した。 まだ志半ば。就任4年目で日本一に輝いたが、いまだリーグ優勝は成し遂げていない。「今季の経験を生かし、進化の手を緩めることなく来季はリーグ優勝、そして日本一を果たせるようチーム一丸となり戦って参ります」。来季こそ27年ぶりのリーグ優勝、そして日本シリーズ連覇へ。誰にも文句を言わせない“完全V”を目指していく。(内藤 菜月) ◆リーグVチーム以外の監督の正力賞 リーグVチーム以外での監督の受賞は過去にWBCで日本代表を優勝に導いて受賞した06年王を除いて、07年落合、10年西村、18、19年工藤に次いで4人目5度目。 ◆正力松太郎賞 1934年に日本初のプロ野球チーム・大日本東京野球倶楽部(現巨人)を創設し、日本のプロ野球発展に大きな功績を残した故・正力松太郎氏(元読売新聞社社主)を記念し、77年に制定された。その年の日本プロ野球界で最も貢献した競技者(監督、コーチ、選手、審判)に授与される。選考委員は王貞治(ソフトバンク球団会長)、山本浩二(元広島監督)、門田隆将(ノンフィクション作家)、高田繁(元ヤクルト監督)、辻発彦(元西武監督)の各氏。
報知新聞社