来週はボラティリティ上昇の可能性 日経平均株価の「注意すべき値動き」【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
通常SQ前の株価の上下変動は一時的なものだが、今回はトレンド形成も考えられるため要注意
しかしながら、その後、何らかの悪材料で日経平均がSQ前に39,000円を割り込んで下落した場合、デルタヘッジを行ったコールオプションの売り手は、コールオプションの売りポジションの評価損が消滅する一方、先物の買いポジションに評価損が発生するため、先物を売ってデルタヘッジを解消します。これが裁定業者による裁定買い取引の解消(先物の買い戻しと現物の売却)を誘発し、現物である日経平均は一段と下落しやすくなります。 このように、来週の日経平均はSQ前に、建玉の積み上がった行使価格前後でボラティリティ急騰が見込まれますが、通常はSQ前のポジション調整に伴う一時的なものと判断されます。ただ、 5月27日付レポート で解説した通り、今回は日経平均の日足が一目均衡表の雲(図表2、6月4日から7月8日までは38,200円付近~38,900円付近)を大きく上抜ければ上昇トレンド、下抜ければ下落トレンドを形成することになるため、注意が必要です。 (2024年6月4日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『来週はボラティリティ上昇の可能性 日経平均株価の「注意すべき値動き」【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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