誰もやっていないことにトライしたい、木村昴が「声優のイメージ」にとらわれない理由
「みんないろんなことやろうよ」みたいな考え方に変わった
──あの、木村さん、普通に今ものすごくお忙しいと思うんですよ。どこからそのパワーが出てくるんですか? ……何でしょうね。独身だから?(笑)。自分のことだけに時間が使えるからだと思いますよ。 ──でも朝の番組も毎日やられていて。一日のルーティンを聞きたくなります。 長くなりますよ?(笑)。でも本当に、常に何か新しいことにトライしたり、やらないと気がすまないというか。暇が怖いんでしょうね。例えば急にポコっとスケジュールが空いたりすることってあるんですよ、天気の都合でロケが中止になりました、とか。そういう「明日の仕事が急遽なくなりました」みたいな連絡がマネージャーさんから来たら、「なにか他に仕事ないですか」って言っちゃいますもんね。ナレーションでもなんでもいいから明日できる仕事ないかな、って。だから常に何かはしていたいんでしょうね。でもそのくせ、本当にめちゃくちゃ忙しくなると超機嫌悪くなるんですけど(笑)。 ──難しいですね(笑)。 ヤバいやつですよね(笑)。でもやっぱり、何かは常に入れておきたいんですよ。そして、常に楽しくありたい。 ──木村さんが「仕事を選ぶ基準」ってあるんですか? どうでしょうね。もしあるとしたら、「自分である意味」があるお仕事、かな。要は「これ、俺じゃなくてもいいよね?」みたいに思わずにすむ仕事というか。これは俺じゃないとダメだよな、みたいなのがあると、やっぱりテンション上がるんですよね。もちろん全部が全部そういうわけじゃないですけど……そういう「俺じゃないとダメ」な仕事が増えるよう、頑張っていきたいなと。 ──木村さんはいろいろなジャンルで活動されているだけでなく、ご自身で劇団や舞台をやられたり、そういう「自分で表現する」ということもたくさん行われていますよね。そういう活動を長く続けている分、周りからの評価がプレッシャーになっていく……ということはないですか? どうだろう? プレッシャーというよりも、「どこまでやれるんだ俺」みたいな、それにワクワクしちゃう感じの方が大きいかもしれないですね。実は最近少し考え方が変わってきたところがあって。以前までは、例えばタレントさんが吹替やります、みたいなのを「ちょっと嫌だな」と思ったこともあったんですよ。でも今、自分がいろんなジャンルにトライするようになってから、「いや、もうみんないろんなことやろうよ」みたいな気持ちにすごくなってきたんですよ。なんか、「声優意外が吹替やるなよ」的なのはちっちゃいな、みたいな。自分がいわゆる「タレント業」をやるようになってわかったんですよ、やっぱり俳優さんとかタレントさんって魅力的だもんな、と。じゃあ俺もどっちも頑張ろう、みたいに考えるようになって。 ──すごく素敵な変化ですね。 なので、どっちもできたら面白いな、と。声優業も俳優業もタレント業も、どれも上手になって誰にも文句を言わせない、という風になったら楽しそうだな、と思ったんですよね。だからこそ僕自身は「声優のくせにこういうことはやるもんじゃない」とか「声優なんだからこうすべきだ」みたいなことには、とらわれないようにしています。 ──最近の活躍を見ると、そろそろ木村さんが声優だと知らない人が増えてくるような気がします。 どうでしょうね!? そういえば、いいか悪いかは置いといて……以前、お笑い芸人のミキの昴生さんと映画の話してて、「この映画めっちゃ面白かったよ」と言われて「あ、それ日本語の吹き替えを俺やってますよ」って言ったら「手広いな!」って言われたんですよね(笑)。いや違うじゃん! 本業はむしろそっちなのよ!っていう(笑)。なんかそれが嬉しかったんですよね。ああ、もうそういう風に思ってる人もいるんだなあ、と。だから、僕のことをどう見ていただくかはご自由に、お任せします! という感じです。 ──最後に1つ。プライベートではどんなエンタメを摂取することが多いですか? 最近だとなんだろう……僕、お笑いがすごく好きなんですよ。いろんな芸人さんのライブのDVDとかもそうですし、ドリフターズもDVDBOXを持っているくらい。『ガキの使い』も大好きで。だから時間があるときはそういうDVDを流したり、あと寝る前に流してたりしますね。『ガキの使い』なんかもはや子守唄です(笑)。落語もよく聞きますね。移動中なんかはずっとイヤホンで音楽聴いたりとかが多いんですけど、そういう「人が喋っているもの」を流している事が多いかな。好きなんでしょうね。