中女流三段 大物ルーキーが女流デビュー戦飾る!女性で史上3人目、奨励会三段に昇段後転向
将棋でプロ目前の奨励会三段から女流へ転向した中七海女流三段(26)が19日、大阪府高槻市の関西将棋会館で女流デビュー戦となる第52期女流名人戦予選に出場し、福間香奈女流5冠(32)の妹、川又咲紀女流初段(28)に92手で勝利した。 神戸市出身の中は2011年、井上慶太九段門下で奨励会に入会し、棋士を目指した。女性では福間、西山朋佳女流3冠(29)に続く3人目の三段に進んだが、26歳の年齢制限のため、先月女流に転向していた。 振り駒の結果、中は後手になり戦型は相振り飛車へ進んだ。川又は美濃囲い、中は総矢倉に組み、角交換から激しい攻め合いへ突入した。自陣へ先に角を打ち込まれて馬を作られたが、手順にはねた左桂で川又陣へ襲いかかり、リードを築いて押し切った。 「勝ててよかった。あまり先のことは考えず、目の前の対局を頑張りたいです」 落ち着いた口調で喜びを語った中に対し、川又は「(中は)奨励会三段まで進まれた。その方と指せるのは光栄。その上で、力を最大限発揮できるようにと思った。(中は)一手一手読みが深かった」と脱帽した。 スマホの棋譜中継で対局を見守ったという井上は「相手の攻めからの反撃、カウンターが決まったような将棋。デビュー戦ですが、落ち着いて指せていた印象でした」と笑顔。三段リーグからの転向は少なからずショックもあったと想像できるが、「心機一転、頑張ってほしい」。女流棋界に8つあるタイトルは奨励会三段まで進んだ福間、西山で分け合う。2強に割って入る可能性のある大物ルーキーが船出を飾った。