4失点惨敗の森保Jはブーイングをどう受け止めたのか?「言い訳せず真摯に受け止める」
もっとも、5日前に敵地ビシュケクでキルギス代表とのカタールワールドカップ・アジア2次予選を戦った先発メンバーから、ベネズエラ戦では8人が入れ替わっていた。 森保一監督はキルギス戦後に、9人のヨーロッパ組を所属クラブへ帰還させた。そのなかにはハリルジャパン時代から最終ラインを担う長友佑都(ガラタサライ)と酒井宏樹(オリンピック・マルセイユ)の両サイドバック、キャプテンのセンターバック吉田麻也(サウサンプトン)も含まれていた。 ベネズエラと対峙した最終ラインは、植田直通(セルクル・ブルージュ)以外は佐々木翔(サンフレッチェ広島)、室屋成(FC東京)、そして畠中槙之輔(横浜F・マリノス)の国内組が占めた。佐々木と畠中は3月シリーズ、室屋は6月シリーズ以来となる国際Aマッチのピッチに立った。 巡ってきたチャンスを生かしたい、という思いをもちろん全員が抱いていた。しかし、最新のFIFAランキングで28位の日本を上回る26位につけ、早い選手は9日に来日するなど、万全の状態に仕上げていたベネズエラのスピードと個人技を前にして、キックオフ直後から後手を踏み続ける。 開始33分でハットトリックを達成した身長186cm体重86kgの大型ストライカー、サロモン・ロンドン(大連一方)の1点目と3点目は、ともに左サイドから放たれたクロスが起点になっている。クロスをあげる選手にも、そしてロンドンにもプレッシャーをかけられなかったと柴崎は振り返る。 「人にも(マークに)つけていない状態だったし、高精度のクロスを簡単にあげられる距離感も作られてしまった」 簡単にクロスをあげさせたのが右サイドバックの室屋ならば、ロンドンに身長176cmとのミスマッチを意図的に作り出されたのが左サイドバックの佐々木となる。森保ジャパンが船出した1年2ヶ月。特に左右のサイドバックは深刻な人材難に陥りつつあることが、惨敗とともにあぶり出された。