<甘利氏辞任>地元秘書が300万円を流用「誘惑に負けた」
金銭授受疑惑が報じられた甘利明経済再生担当相が28日夕、会見し、経済再生相を辞任することを表明した。自身の計100万円の現金授受は認めた上で、政治資金として「適切に処理された」と説明。一方、弁護士による第三者調査で、地元事務所の秘書が受け取った500万円のうち、300万円はこの秘書が使ったことを明らかにした。 【中継録画】金銭授受疑惑で甘利明氏が会見「閣僚の職を辞する」
自身の計100万円授受は認める
週刊文春の報道では、甘利氏が2013年11月に大臣室で、14年2月に神奈川県大和市の地元事務所で、それぞれ現金50万円を千葉県の建設会社側から受け取ったと報じられている。 甘利氏は2度にわたる50万円の授受を認めた上で、「政治資金として適切に処理するように指示した」と説明。これらについては、政治資金収支報告書に記載され、適切に処理されたことが確認されたとした。
地元秘書、多数の飲食接待も
一方、週刊文春では、2013年8月20日に、建設会社の総務担当者から甘利氏の地元事務所の秘書に500万円を渡したとも報じられた。甘利氏は、弁護士に対する秘書の説明としてこれに言及。当初は総務担当者が1000万円を出してきたので「そのような多額の現金は受け取れない」と伝えたが、結果として秘書が500万円を受領したと明らかにした。 そのうち、100万円を献金として、別の100万円を甘利氏の元秘書の県会議員への献金として処理したが、残る300万円は秘書が自分の机の中で保管し、私的な目的も含めて使った。「自腹での負担が大きいので誘惑に負けてしまった」と説明しているという。 さらに、この秘書や別の秘書が総務担当者や建設会社社長から金銭授受や飲食の接待を多数回受けたことを認めているとも報告。二人からは28日付で辞表が提出された。 この建設会社について、甘利氏は、信用調査会社によると、3年連続の赤字企業であるおそれがあるといい、そうなると、この建設会社や総務担当者は、政治資金規正法22条の4(※)に違反する寄付をしたことになるので、返金するよう指示したという。 (※)「三事業年度以上にわたり継続して政令で定める欠損を生じている会社は、当該欠損がうめられるまでの間、政治活動に関する寄附をしてはならない」と規定されている