朝青龍のおいが新弟子検査「プロ野球が夢だった」明徳義塾中へ野球留学、おじの誘いで異色の転向
角界の「華麗なる一族」からデビューする。大相撲九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の新弟子検査が1日、福岡市内で行われた。元横綱朝青龍のおいで、大関豊昇龍のいとこ、セルジブデー・ルブサンゴンボ(18=錣山、しこ名は未定)が受検した。186センチ、116キロの堂々たる体格。未来の横綱へ1歩を踏み出す。元横綱武蔵丸の武蔵川親方のおい、アイルア・ダニエル(18=武蔵川)も含め9人が受検した。 【写真】朝青龍のおい、ルブサンゴンボ(左) ◇ ◇ ◇ 「朝青龍一族」から、新たな有望株が角界に登場する。朝青龍の1つ上の兄、新日本に在籍したプロレスラーのブルー・ウルフ(47)の次男、ルブサンゴンボが新弟子検査を受検した。 186センチ、116キロの堂々とした体格。明徳義塾中へ来日も、当初の目的は「野球留学」だった。右投げ右打ちの外野手。「(日本の)プロ野球が夢だった」が、中学2年の時におじの朝青龍から「相撲をやらないか」と言われて転向を決意したという。 その決断時、現在の大関豊昇龍が幕内に上がって活躍したことも後押しとなった。「だれよりも強くなりたい」。外国人力士の枠の関係もあり昨年8月から錣山部屋に在籍し、稽古を積んできた。明徳義塾高3年だが、現在は休学中で大相撲デビューを果たして退学する予定という。 野球少年だったが、親族のDNAから遊び程度に相撲にはいそしんできたという。基本は押し相撲。いとこの大関豊昇龍は「子どものころから知っているよ。強くなるのは本人次第。これからだと思います」。ルブサンゴンボは「よくアドバイスをもらう。お小遣いもいただけます」と全面的なサポートに感謝する。 野球選手から大相撲力士。異色の転向だが、それだけ伸びしろは大きい。師匠の錣山親方(元小結豊真将)は「まだまだ弱い。これからだと思います。気は優しくて力持ち。そんなお相撲さんになってほしい」。 目指すはおじさん、そして、いとこと明確にある。「とにかく早く関取になって家族に恩返ししたい」。その1歩を踏み出した。【実藤健一】 ○…元横綱武蔵丸のおい、ダニエルは体格検査で181センチ、129キロだった。昨年8月に来日し、まだ日本語はたどたどしい。「ちょっと怖いです」と話す一方で「うれしいです」。おじさんの師匠からは「頑張って」と励まされたという。米ハワイ州ではアメフトでDLを担った。「日本語、難しいです」と異文化と格闘しながら出世を狙う。