【大人の温泉グルメ旅】加賀の伝統美と絶景を満喫!日本海の幸を存分に味わう
日本海の幸「鮑とのどぐろ会席」を堪能
北陸に来たら、やはり味わいたいのは日本海の幸。 冬はなんといっても蟹が有名ですが、もう一つ、北陸で外せない魚介といえば「のどぐろ」です。正式名称はアカムツで、喉のあたりが黒いことからのどぐろと呼ばれるようになったとか。日本海の冷たい荒波を泳ぐ北陸ののどぐろは旨みが深く、年中おいしく食べられる魚です。 また、鮑(あわび)は伊勢などが有名ですが、石川県の輪島でも昔から海女漁が行われており、現在もウエットスーツに水中メガネの海女さんたちが鮑やさざえの漁を行っています。 加賀の伝統工芸である九谷焼や山中塗の器と料理のマリアージュも、ここでのお楽しみの一つ。「器は料理の着物」と唱えた、美食家の魯山人にならい、こだわってセレクトされています。 現代の九谷焼作家の作品が多々使われており、運ばれてくるたびに心が躍る美しさ(作品の一部はショップでも販売)。金継ぎ工房で直したものも使用されており、実は先代・白銀屋の時代から使っている器も一部引き継がれているそうです。 金時草、甘海老、車麩、堅豆腐など、加賀らしい食材を使った料理の数々に酔いしれていると、大きく柔らかなたっぷりの若布(わかめ)で鮑を包み、じっくり火を入れて蒸し上げた「鮑の若布包み蒸し」が登場! 磯の香りが心地よい、ふっくらプリプリの鮑の旨みと食感に驚きました。 そして最後は「のどぐろの土鍋ご飯」。ふたを開けると魚の香ばしい匂いがふわりと漂ってきます。身はふっくらと柔らかく、程よい脂がのって、おいしい甘み旨みがご飯に染み込み、もうお腹いっぱいと思っていたはずなのに、胃袋がまた元気になってきました。 ディナーの後は歴史的建造物の「べんがらラウンジ」へ(予約制で1ドリンクとおつまみ2品付き。別料金で追加オーダーも可) 入り口の棚には九谷焼や山中塗の酒器や小皿、お盆などがまるでギャラリーのようにずらりと並んでおり、お酒やつまみに合わせて、スタイリストのような気分で、好きな器を自分で自由に選び、組み合わせを楽しめます。窓の外には山代温泉の情緒ある夜の町並みが見渡せ、ゆったり寛げる極上の空間でした。 「べんがらラウンジ」手前にあるギャラリースペースには、魯山人作の器や、本人が彫った白銀屋の看板などが展示されており、宿泊者は誰でもこれらの貴重な作品を鑑賞できます。
今回宿泊した温泉宿はこちら:界 加賀
加賀の工芸品が館内に散りばめられ、加賀文化に存分に浸れる宿。建物の目の前には、山代温泉のシンボル的存在である、明治時代の総湯を復元した大衆浴場「古総湯」があり、夜は五色のステンドグラスからもれる明かりが町に風流な彩りをもたらしています。 冬のシーズンには期間限定で「活蟹づくしのタグ付き蟹会席」など、蟹メインの料理のお楽しみも。「70歳以上限定『温泉めぐり 界の定期券』」の対象施設の一つとして、シニア女性にも人気の温泉宿です。 界 加賀 ・住所:〒922-0242 石川県加賀市山代温泉18-47 取材協力:星野リゾート 文・写真:江澤香織 編集:鳥居史(ハルメク365編集部)
ハルメク365編集部