日本人女性初の単独無寄港世界一周支えたヨット「ふね遺産」に認定 海洋冒険家・今給黎教子さんの「海連」 女性1人で操船できる改造評価 日本船舶海洋工学会
1992年に日本人女性初の単独無寄港世界一周を果たした、海洋冒険家今給黎教子さん(59)=鹿児島市紫原4丁目=のヨット「海連」(5トン)が、日本のセーリング文化に大きな影響を与えたとして、日本船舶海洋工学会の「ふね遺産」に認定された。体格や力に応じた改造が施され、女性の船舶海洋進出の可能性を広げたと評価された。 【写真】「ふね遺産」の認定書と盾を受けた今給黎教子さん(中央)=東京都内(本人提供)
ふね遺産は、歴史や技術的に価値のある船舶や港湾施設を社会的遺産として残すため、毎年認定する制度。今年は8回目で、累計51件が認定された。 今給黎さんは91年10月に鹿児島市の平川ヨットハーバーを出航。278日間で約5万4000キロ航海した。海連は女性1人でも操船できるよう、ロープを引くウインチを増設するなど工夫されている。 現在は同市谷山港2丁目の陸上で点検整備中。今後の展示場所などは未定だという。 9月13日、東京都内で認定式があり、今給黎さんは「歴史に名を残せてうれしい。今後も女性セーラーが活躍できるような環境づくりに努めたい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島