【厚生年金】わたしは「月額10万円」これって多い方・少ない方、どっち?
厚生年金を増やすための方法
次に厚生年金を増やすために考えられる3つの方法をご説明していきます。 ●長く働く 長く働くことで厚生年金の受給額を増やすことは、老後資金を確保するための重要な戦略の一つです。 厚生年金は加入期間が長ければ長いほど受給額が増える仕組みとなっており、定年後も働き続けることで、年金額の増加が期待できます。 特に近年では、65歳以降も働くことが一般的になりつつあり、70歳まで働くことで年金額が数万円増加するケースはよく見られます。 また、長く働くことは年金額の増加だけではなく、現役時代の貯蓄をさらに増やす機会ももたらすでしょう。結果として長く働くという選択は、最も堅実で基本的な老後対策と言えます。 ●年金の繰下げ受給 年金の繰り下げ受給を活用することで、受給額を大幅に増やすことができます。 65歳を超えて受給を開始する場合、1か月ごとに年金額が0.7%ずつ増加し、75歳まで繰り下げると最大で84%も増加することに。これは通常の年金額の約1.8倍に相当し、老後の生活費を確保するための有力な方法です。 ●資産運用への取り組み 資産運用を取り入れることで、少ない年金でも将来の経済的な安心感を得ることができます。 年金が不足する場合、株式や投資信託を活用し、NISAやiDeCoを使うことで投資利益が非課税になり、節税しながら老後資金を効率的に増やすことが可能です。 例えば、iDeCoでは全額所得控除が適用され、少額ずつの積み立てでも、60歳までに大きな資産を形成できることがあります。 早めにこれらの制度を活用し、毎月の投資を継続することで、老後の生活に余裕を持たせることができ、経済的不安を軽減できるでしょう。
まとめにかえて
月額10万円の年金は全体の平均額と比べて少なく、老後の生活を支えるには十分でないことがわかります。 しかし、今から準備を始めることで将来の不安を解消することは十分に可能です。まだ遅くはありません。 計画的に取り組み、老後を安心して過ごせる環境を整えていきましょう。適切な対策を講じることで今後の生活に対する不安を一掃し、充実した老後を目指すことができます。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・総務省 家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2023年(令和5年)平均結果の概要 ・日本年金機構「年金の繰下げ受給」
石川 美香