林市長「復興に一区切り」 氷見市議会開会 任期途中「断腸の思い」
●液状化10月に工法選定 氷見市議会9月定例会は4日開会し、林正之市長は提出議案説明で、膵臓(すいぞう)がんの治療に専念するため11月8日付で辞職する意向をあらためて表明した。その上で、能登半島地震からの復興で重要課題とする液状化対策、災害公営住宅の整備、家屋の公費解体が進展しており「10月末ごろには復旧復興に向けた取り組みが一区切りになる」と述べ、任期途中の退任に理解を求めた。 林市長は「生まれ育った氷見の発展に貢献したいとの一念で立候補し、全身全霊で市政運営に当たってきた」と1期目の就任からの7年5カ月を振り返った。道半ばで病のため退くことに「断腸の思いであり、痛恨の極み。市民や関係の皆さんに申し訳なく思っているが、今後の市政にこれが最善の方法であると決断した」と声を詰まらせながら語った。 液状化対策では道路や公園などの公共施設と宅地の一体的な対策で具体的な検討を進め、10月には基本となる工法を選定するとした。災害公営住宅は2カ所2棟の整備に向けて9月補正予算案に設計や測量、用地購入の経費を計上したと説明した。3棟目の建設については希望世帯数が確定した段階で別の市有地で検討するとした。 公費解体は想定棟数を約800棟とし、このうち現時点で52棟が解体済み、70棟は施工中であると説明。災害ごみの新たな仮置き場として、高岡市内の企業敷地を借り受けたことで解体のスピードが上がり、今後は毎月、30~40棟程度を解体し、来年度末までの完了を目指すとした。 会期を18日までの15日間と決め、今年度一般会計補正予算案6億9801万円(累計318億1590万円)など議案17件を提出した。