『レンタヒーローZ』は、『ファンタシースター』で日本語を学んだ大のセガファンが実現した熱意溢れるプロジェクトだった! 還暦間際の蟻川とんぼ・Hiro師匠・光吉猛修も再結集
NFTプラットフォームの企画・開発を行うLINE NEXTが、セガからIPのライセンス許諾を受けて開発しているタイトル『レンタヒーローZ』。同作は、メガドライブ用ソフト『レンタヒーロー』(1991年発売)の世界観をベースに、ブロックチェーン技術を活用したシステムを盛り込んだ新作になるという。 【記事の画像(4枚)を見る】 東京ゲームショウ2024のセガブースでは、一般公開日初日である2024年9月28日に、“『レンタヒーロー』のファンタイムSHOW”が開催。『レンタヒーローZ』のために作られた新曲『世界は君をレンタヒーローと呼ぶんだZ』が初披露された。作曲はセガサウンドの巨匠として知られるHiro氏、作詞は『レンタヒーロー』シナリオ担当だった蟻川とんぼ氏、歌唱は“日本一歌のうまいサラリーマン”としてもおなじみの光吉猛修氏という、往年のセガファンなら涙せずにはいられない布陣。会場では、『レンタヒーロー』33周年記念ステッカーも配布された。 本記事では、『レンタヒーローZ』のプロデューサーであるLINE NEXTのハン・ギウン氏、『レンタヒーローZ』の開発統括を担うThe JAEMIのカク・スンジェ氏、監修の責任者であるセガの鈴木誠氏、そして上記のセガレジェンド3名へのインタビューをお届け。数あるセガIPの中でも、なぜ『レンタヒーロー』が選ばれたのか……その理由を紐解いていく過程で明らかになった、ハン氏のセガ愛にぜひ注目してほしい。 ※本インタビューは、“『レンタヒーロー』のファンタイムSHOW”開催前の2024年9月26日に実施されたものです。 ハン・ギウン氏: LINE NEXT 『レンタヒーローZ』制作統括プロデューサー カク・スンジェ氏: The JAEMI 『レンタヒーローZ』開発統括 鈴木誠氏(すずき まこと): セガ 『レンタヒーローZ』監修責任者 蟻川とんぼ氏(ありかわ とんぼ): セガ 『レンタヒーロー』専属ゲームクリエイター 川口博史氏(Hiro師匠)(かわぐち ひろし): セガ ゼネラルサウンドコンポーザー 光吉猛修氏(みつよし たけのぶ): セガ サウンドデザイナー兼ボーカリスト プロデューサーはどうしても『レンタヒーロー』のゲームが作りたかった ――本日はよろしくお願いします。: ハン: まずは私の自己紹介からさせていただきます。私は21年前にゲーム業界に入り、ネットマーブルやNCSOFT、NHNなどでゲームの立ち上げ・開発を行ってきました。LINE に入ったのは2015年のころで、LINEのさまざまなゲームプロジェクトに携わりました。 ――ハンさん、とても日本語がお上手ですね。 ハン: 私が日本語を話せるのは、セガのゲームをプレイしながら独学していたからです。私、ファミコン派ではなくてセガ派だったんですよ! SG-1000を父に買ってもらって、それからセガハードに触れるようになって。そして『ファンタシースター』というRPGで日本語を独学で学びました。ほかの韓国の人は『ファイナルファンタジー』で学んだりしていると思いますが、私は 『ファンタシースター』で学んだんです! ――『ファンタシースター』仕込みの日本語だったとは……! ハン: お話を戻しますと、 『レンタヒーローZ』のプロジェクトの始まりは2年ほど前です。内海さん(セガ代表取締役社長 内海州史氏)が福岡にいらしているときに、お時間を30分ほどいただいて、会いにいきました。私はそのときから『レンタヒーロー』のゲームを作りたいと思っていたので、『レンタヒーロー』の歴史をずっと話しました。 これはただのヒーローものではなく、超人アルバイターのゲームであり、アクション性や、人間味のあるドラマなどがあって、本当にいいゲームだと。「君は人のためにヒーローになれるのか」というこのゲームのメッセージは、幼い私の心に本当に残りました。 この『レンタヒーロー』を新しい技術で、グローバルのお客様に対して配信したい……と説明していったら、もともと打ち合わせの時間は30分だったんですけど、どんどん延長されていって。けっきょく夜までお時間をいただいてお話をして、その後正式に許諾をいただいて、いまにいたります。 ――『レンタヒーロー』オリジナル版を開発した蟻川さんは、今回のプロジェクトの話を聞いて、どんな印象を受けましたか? また、改めて、『レンタヒーロー』シリーズにて担当されていたお仕事についてもお聞かせください。 蟻川氏のサングラスは舞台版『レンタヒーロー』で主役の方が身に着けていたものをプレゼントされたもの。 蟻川: 僕は 『レンタヒーロー』のシナリオを担当しました。その後、セガサターンで『ファイターズメガミックス』というゲームが出た際に、隠れキャラクターとしてレンタヒーローが出まして、そのときに、テーマ曲『君は人のためにレンタヒーローになれるか』用に歌詞を書きました。その後、ドリームキャスト用ソフト『レンタヒーローNo.1』のゲームデザインを担当しています。一応、肩書としては『レンタヒーロー』専属ゲームクリエイターとなっています、はい。 で、今回のお話を聞いたときですが……『レンタヒーローNo.1』からもう20年以上が経っているこの時代にまさかまた新しい『レンタヒーロー』の開発に携われるとは思っていなかったので、とてもうれしかったです。僕は、入社1年目で担当したゲームが『レンタヒーロー』だったんです。初の仕事がシナリオ担当だったということで、すごく思い深いタイトルになっています。そんな僕は再来年で定年退職する予定で。武道では“礼に始まり礼に終わる”という言葉がありますが、僕の場合、レンタヒーローに始まりレンタヒーローに終わるんだなと。 鈴木: 先ほどのハンさんと蟻川さんの熱意を垣間見ただけでも、「これはふつうのプロジェクトではないな」ということは伝わったと思います。私はこのプロジェクトのセガ側の監修責任者をしていまして、蟻川さんの力を120%引き出せるようにアシストしているところです。 ――ブロックチェーンの技術の活かしかたについては、どうお考えですか? 鈴木 : 『レンタヒーロー』と言えばやはり、セガ(SEGA)じゃなくて“セカ(SECA)” という会社からコンバットアーマーをレンタルするという点が特徴なのですが、この設定をWeb3技術で活かせないかという話をしているところです。いままでにないWeb3技術の使いかたになりそうで、そこが従来のプロジェクトとは違いますね。 ――今回は、セガIPのライセンス許諾を受け、LINE NEXTがパブリッシャーとして『レンタヒーローZ』を展開するという座組になっていますが、ゲームの開発はThe JAEMIさんが担当されているそうですね。 ハン: これまでにお話しした通り、このゲームはふつうのゲームではありません。レンタルという要素が存在することを理解したうえで、ブロックチェーン技術をゲームをおもしろくするために活用し、ストーリー性をいちばん大事にして開発する必要があります。そんなゲームの開発をどなたにお願いすればいいのか悩んでいたときに、The JAEMIさんをご紹介いただきました。最初の打ち合わせで20分くらいお話しして、これで終わりかと思いきやどんどん話が続きまして、どんどん打ち合わせの時間が長くなりまして(笑)。 ――内海さんのときと同じですね(笑)。 ハン: 「この会社の皆さんとなら、ぜったいにこのゲームをおもしろく作り上げられる!」と信じることができましたので、それからいっしょに取り組んでいます。 カク: 誰もがヒーローになれるというストーリー、世界観を聞いて、私もチャレンジしたいと感じました。「ヒーローになりたい」という気持ちは私も持っていたものでしたので。お話を聞いた後、我々からも、開発の参考になるような映像を作るなどご提案をして、いっしょに開発することになりました。 ――続いてHiro師匠にうかがいます。今回、新しく主題歌を作ることになったそうですが、改めて、これまでの『レンタヒーロー』との関わりも教えてください。 Hiro師匠: もともとはオリジナル版の 『レンタヒーロー』でサウンド担当をしていまして、その後、『レンタヒーローNo.1』にも巻き込まれてサウンドを担当しました。『レンタヒーローNo.1』は別の会社が開発を担当していたので、当初は「サウンドは監修だけ」と聞いていたんですが、なんか曲も作ることになって、気づいたらゲームに大きく関わっていたというわけです。 『ファイターズメガミックス』用に作ったボーカル版『君は人のためにレンタヒーローになれるか』を、『レンタヒーローNo.1』に収録するために、影山ヒロノブさんに歌唱をお願いして録り直したりして。ちなみに自分は40年前にセガに入りまして、来年で定年になります。 ――Hiro師匠のセガ人生も、『レンタヒーロー』とは切り離せないですね……! Hiro師匠: 今回も巻き込まれて。1ヵ月くらい前だったかな、「テーマ曲を作りたい、新曲で!」と言われて、いまにいたります。 ――そしてその新曲は、光吉さんが歌唱されると。 光吉: 僕も簡単に経歴をお話ししますと、1990年にセガに入社しました。じつは蟻川と同期です。なんですけど、僕の定年は3年後です。蟻川は一浪していたらしくて。あの当時はすごくたくさんの人が入社したんですけども、やっぱりいまはほとんど残っていなくて。そのわずかに残っている同期のうちのひとりが蟻川ですね。 僕も34年間、セガのサウンド開発に関わっています。アーケードゲームから始まって、最近はコンソールやモバイルの仕事も増えてきて。『レンタヒーロー』に関して言うと、オリジナル版では、主人公のヤマダタロウの声を担当していました。歌に関しては、『ファイターズメガミックス』のボーカル版テーマ曲を担当しています。じつは僕、『ファイターズメガミックス』のサウンドディレクターだったんですよ。 Hiro師匠: えっ、そうなの? 光吉: そうなんですよ。びっくりするでしょ。そんなサウンドディレクターだった僕ですが、 『君は人のためにレンタヒーローになれるか』のボーカル版が収録された経緯は、じつはあんまりよく覚えてない(笑)。なんかね、あんまり覚えていないんですよ。もちろん、レンタヒーローが隠しキャラクターとして出るからなんだろうとは思いますけども。 Hiro師匠: あれは片岡くん(片岡洋氏。 『ファイターズメガミックス』ディレクター)が言い出したんじゃないの。 光吉: たぶんそうなんでしょうね、うん。で、 『ファイターズメガミックス』で歌わせてもらって。『レンタヒーローNo.1』では影山さんがメインボーカルですが、僕はコーラスを担当させてもらいました。で、今回の『レンタヒーローZ』でも歌うことになるわけですが……じつは僕は、『レンタヒーローZ』のプロジェクトがあること自体は前から知っていました。 蟻川から概要は聞いていて、「確かに、Web3の技術との親和性は高いな」と思っていたんですね。ただ、プロジェクトがどういう風に進んでいくかは知らなかったので、自分の出番が来るのをずっと待っていたんです。それで今回、ようやくセガで新曲を作ることになり、歌わせてもらうことになりました。今後、キャラクターの声まで担当させていただくかはわかりませんけども……。 Hiro師匠: やるなら5ヵ国語くらい? 光吉: いやー、あの、自分、まだしゃべっていいですか?(笑) で、僕も定年前に、また 『レンタヒーロー』の仕事に携われると思っていなかったので、うれしい意味での驚きをもって、いま取り組んでいます。 『レンタヒーローZ』は初代『レンタヒーロー』から33年後が舞台 ――『レンタヒーロー』は皆さんが入社して間もないころに作ったというくらい年季のあるIPですので、若いゲームプレイヤーは、『レンタヒーロー』のことをあまり知らないかもしれません。ハンさんが考えるこのゲームのプレイヤー層というのは、かつて『レンタヒーロー』を遊んでいた人なのでしょうか、それとも、これをきっかけに『レンタヒーロー』を知るような若いゲームファンなのでしょうか?: ハン : 『レンタヒーローZ』のために作っていただいた新曲『世界は君をレンタヒーローと呼ぶんだZ』には“レスキューサンキュー”という歌詞があるのですが、この言葉が、『レンタヒーローZ』のおもしろさを表していると思います。『レンタヒーロー』のことを知っている人も知らない人も、お互いに助け合っていくことがこのゲームのストーリーになっていきます。いまはまだ詳しくお話しできませんが、助け合っていくところにいろいろなドラマがあるので。ということで、ターゲットは全世界のゲーマーの皆さんです。 鈴木: まず、我々もLINE NEXTさんもThe JAEMIさんも、ゲームとしておもしろいことを大事にしているので、 『レンタヒーロー』のことを知らない方には、「おもしろいアクションゲーム」として映るのではないかと思います。そして『レンタヒーロー』オリジナル版を知っているおじさんたちには、もう、「『レンタヒーロー』の最新作だ!!」と思ってもらえるようなものを目指しています。 ――往年のゲームユーザーは「ブロックチェーンのことは、よくわからないよ」という人も多いかと思いますが、そういった方々が抵抗感を抱かないような作りになっている? 鈴木: 内海とキムさんのインタビューでもお話がありましたが、ゲームの中ではブロックチェーン技術を活用していますけれど、それを大きく押し出してアピールする予定はありません。 ハン: オリジナル版 『レンタヒーロー』の舞台は、当時セガ本社があった大鳥居の周辺をモデルにして作られていましたが、『レンタヒーローZ』では大崎にある現在のセガ本社に関係する要素も含めたいと考えています。また本作では、オリジナル版から33年経った新時代を描くつもりで、蟻川さんや皆さんと話し合いながら作っています。 ――『レンタヒーロー』]オリジナル版では、大鳥居周辺の地名をもじった、オートリー(大鳥居)やコージャ(糀谷)といった名前の町が登場していました。そういった独特のテイストは、ローカライズするのは難しそうですが……。 鈴木: ローカライズは今後取り組んでいくべきところで、開発の山場はそこだとも思います。蟻川さんが考えた独特のダジャレを多言語に訳すのが難しいのですが、がんばっていこうと思っています。 ――『レンタヒーローZ』のシナリオは、どなたが担当されるのですか? 鈴木: 基本的にThe JAEMIさんが担当していて、セガで監修しています。 蟻川: 33年経ったということで、昔の 『レンタヒーロー』に引っ張られることなく、新しい時代の新しいストーリーを作ってもらいたいなと思っています。一応、“セカの歴史”というのは考えていまして、33年のあいだにセカでどんなことが起きたのかをイメージして資料にしてお渡ししましたので、それをどう料理していただけるかが楽しみですね。 開発スタッフの熱意に応えるために作られた新曲 ――先ほど、新曲の制作を打診されたのは1ヵ月くらいだと語られていましたが、なかなかの急ピッチで進んだということですよね。: Hiro師匠: 自分も光吉と同じく、プロジェクトの存在は知っていたので、「なんか作るんだろうなー」と思っていたら、突然降ってきて。 鈴木: 歌を作ることになったのは、東京ゲームショウがあるからというわけではなかったんです。少し前に、The JAEMIさんの開発現場に行ったのですが、オフィスにメガドライブミニが置いてあって、若いスタッフの方々がみんな 『レンタヒーロー』を遊んでいたりするんですよ。「おもしろい、おもしろい」って。そうやって、LINE NEXTさんやThe JAEMIの若い皆さんが、いろいろやってくれてる熱意に応えたくて、ダメもとで新曲をお願いしたというのが始まりでした。 Hiro師匠: あっ、ダメもとだったんですね。 鈴木: でも間に合いそうな空気感があったので、じゃあ東京ゲームショウでもステージをやろうと準備したりして、いまにいたると。 Hiro師匠: じつは今回、新曲の案は3つ作ってみたんです。もともと 『レンタヒーロー』は昭和アニメのイメージだったんですが、もうちょっとおしゃれな感じにしてもいいんじゃないかという話になって。それで1曲。ただ、ちょっとおしゃれに寄せすぎたと思ったので、もう少し『レンタヒーロー』寄りにしたものを1曲。そしてもう1曲は、じつは10年以上前に「いつか『レンタヒーロー』が復活するだろうな」と勝手に思って、「復活したらこんな曲だろうな」と想像していた、昔っぽいテイストの曲。その3案をみんなで聴いて、結果、2番目の案が採用になりました。 ――おしゃれっぽさと『レンタヒーロー』感が合わさったような曲が選ばれたということですね。そして歌詞も急いで作ったと。 Hiro師匠: 歌詞、早かったよね。もっとかかるのかな、と覚悟してたんだけど。 蟻川 : 『君は人のためにレンタヒーローになれるか』の歌詞では、出前の要素を入れていなかったなと思って。だから今回は、冒頭で出前に関する歌詞を入れました。あと、前にHiro師匠が「歌詞に技名を入れたかったな」と言っていたのを覚えていたので、それを入れたら、あとはトントン拍子で、意外と早くできました。 ――それから光吉さんのレコーディングが行われたんですね。 光吉: とりあえずやることは東京ゲームショウでのライブということで、歌はまだ録る必要はなかったんですけど。叩き台の歌詞の字数とメロディーが合わないところはあるので、そこをどうマージするかを調整するために2回くらい仮歌を録りました。ゲームショウでのライブでは、細かいところは変わる可能性もありますが、それもまあライブの醍醐味ということで。 Hiro師匠: 「歌詞間違えるかも」っていまから言ってる(笑)。今回の曲、難しいよね。 光吉: それを言ったら 『君は人のためにレンタヒーローになれるか』も難しいんですよ。さすがにあれは散々歌い続けたので、もう(自分の中に)入ってるんですけど。Hiroさんの曲はね、わりと歌いにくいんですよ(笑)。独特の節回しがあるんですよね。でもまあ、今回の僕のコンセプトとしては、「Hiroさんが先に定年を迎えてしまうので、今回はHiroさんに花を持たせる」ということで、もう一切文句を言わずに、指定通りに歌うことにしました(笑)。 ――そんなコンセプトがあったんですね(笑)。『君は人のためにレンタヒーローになれるか』ぶりに、皆さんが力を合わせた新曲が出来上がったわけですが、『君は人のためにレンタヒーローになれるか』制作時と比べて、変わったことなどはありましたか? Hiro師匠: 聴き比べると、自分が成長しているのが実感できて。「おお、人って成長するんだな」と思いました。とはいえ、昔のテイストもちゃんと活かせていて、おもしろかったです。 蟻川: 僕の場合は、もう、昔の感じそのままを出せればいいのかなと思って。それを期待していただいているかと思うので。 Hiro師匠: 今回、Xで「新曲の作詞は蟻川とんぼです」と発信したら、「この名前が出てくるのを待ってました」という反応があって。やっぱり昔のファンの皆さんは、蟻川とんぼテイストを期待しているんだなと。 光吉: 僕の場合は、 『君は人のためにレンタヒーローになれるか』と今回の曲の大きな違いはキーですね。全然『レンタヒーロー』は関係ないんですけど(笑)、33年にあいだに高い声を出せるようになった。昔は、『君は人のためにレンタヒーローになれるか』くらいのキーでさえ、歌うと声が枯れちゃってたんです。そのころと比べたら、30年以上歌ってきただけあって、まあデジタル技術のおかげもあって、聴けるものになっているなと思いますね。 ――まだまだ、堀井さん(『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』プロデューサー堀井亮佑氏。東京ゲームショウのセガブースでは、“ryo”の名でミュージカルSHOWに出演)には負けないぞ、と。 光吉: 堀井さんとはカラオケにいっしょに行きまして、親睦を深めております。そのうち『龍が如く』でもいっしょに何かやらせていただけるといいですね。 ――おふたりはカラオケ仲間だったんですね! ところで今回の『レンタヒーローZ』SHOW来場者には、『レンタヒーロー』33周年ステッカーが配布されると聞きました。 鈴木: このプロジェクトは、本当にみんな想像もしていなかったタイミングで始まったので、「●周年記念だから、やろう」ということもなくて。熱意と勢いで来ちゃったので、33周年という数字になりました。 Hiro師匠: ゾロ目でよかったよね。 鈴木: ある意味でいいタイミングでしたね。 ――ここまでお話を聞いて、改めて、皆さんがすごく熱意を持っているということを感じました。: 鈴木: 本当に、愛に溢れているプロジェクトなんです。「おもしろいゲームにしよう」とチームの足並みが揃っているのも確かです。 カク :『レンタヒーロー』から33年後の世界……つまり、いまの世代の人間にとっての世界で、レンタヒーローはどういう存在なのかということを考えています。ストーリーや世界観担当などがいっしょに力を合わせて、現在のレンタヒーローの姿を描こうと取り組んでいます。 ハン: 私たちは3社とも、本当に、このゲームのおもしろさをより拡張することに、新しい技術を使うことが大事だと思っています。毎日最善を尽くしていますので、ぜひご期待ください。よろしくお願いします。 取材現場に置かれていた『レンタヒーロー』と『レンタヒーローNo.1』のパッケージは、なんとハン氏の私物。ハン氏は取材後、蟻川氏らにサインをもらっていた。本当に熱心な『レンタヒーロー』ファンであるハン氏は、6年前に上演された『レンタヒーロー』の舞台ももちろん観に行っているという。