中国製EV「コスパと黒衣」の米市場戦略に勝算は?
浙江吉利控股集団傘下のボルボ・カーズ(スウェーデン)はEVのコンパクトSUV「EX30」を投入、テスラ「モデル3」と価格競争を繰り広げている(volvocars.comより)
中国製のEVが世界を席巻している。中国海関総署(税関)の通関統計によれば、2023年上半期の中国の自動車輸出台数は234万1000台と、日本自動車工業会が発表した日本の輸出台数の202万3000台を抜き去り、 世界最大 の自動車輸出国に躍り出た。この期間においてEVは中国の自動車輸出数量の3分の1に過ぎなかったが、金額ベースでは52%と、EV輸出で儲ける構造が 明確 になってきた。 こうした状況の下、トランプ前政権時代に設定された高率の対中自動車関税にもめげず米国市場を目指す中国EV・コネクテッドカーメーカーは、(1)中国資本が買収した欧州自動車企業を足掛かりに、「欧州車」として中国EVを米国に輸出する、(2)「黒衣」として、EVそのものではなくテクノロジー規格の世界覇権を狙う、(3)まずバスやトラックなどの大型商用車で評価を得て、満を持して乗用車販売に乗り出す、などの戦術で攻略すると報じられている。 米国における中国EVメーカーの勝算はあるのだろうか。
本文:5,495文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
岩田太郎