【ソフトバンク】上沢直之〝逆風のNPB復帰〟で注目される代理人の存在
ソフトバンクは元日本ハム・上沢直之投手(30)を獲得したと日に正式発表した。昨オフに米国に渡ったが、MLBでは2試合の登板にとどまり、レッドソックス傘下3AウースターからFAとなっていた。ポスティング移籍から1年での日本球界復帰、古巣球団以外への移籍は大きな議論を呼んでいるが、上沢本人と代理人との関係性も注目されている。 米球界で満足いく結果を残せず、2年ぶりのNPB復帰となった上沢の新天地はホークスに決まった。 ただ、経緯が経緯だけに逆風も吹いている。上沢の夢を後押し、マイナー契約ながら送り出した日本ハムが手にしたものは、ポスティング移籍に伴う90万円程度の譲渡金のみ。何よりメジャーを経由した〝変則FA移籍〟のような形となり、右腕への風当たりが強まっている。そうした中、日本ハムの先輩でもあるダルビッシュ(パドレス)がSNSのライブ配信を通じ、制度について「問題があると思う」としつつ「契約は個人の自由だから上沢は悪くない」と擁護に回る事態に発展した。 もちろん、上沢は現行のルールを犯しているわけではない。ただ、水面下で交渉をリードした代理人に対して上沢の意思がどれだけ反映されたのかは不透明だ。 日米球界に精通するMLB関係者は「上沢の契約交渉という法律行為を行う代理人は、米国で価値を失いながらNPBでは需要がある上沢の価値を最大化して好条件の移籍先を探すのが仕事」と語る。代理人の報酬は選手の年俸の5%程度が一般的とされ、価値を高めるほど見返りも大きくなっていく。 そのため「時に代理人の意思がクライアント(選手)の意思を超えてしまうこともある。ここでポイントとなるのが選手本人が代理人に〝コントロール〟されるのではなく、自身の意思をしっかり代理人の契約交渉に反映させているかどうか」(前出関係者)という。 2014年オフにヤンキースからFAとなった黒田博樹(現広島球団アドバイザー)は、メジャー複数球団から寄せられた単年約20億円オファーを断り、自らの意思で古巣・広島に推定年俸4億円で〝男気復帰〟した。 今回、ソフトバンク側が上沢に提示したのは3年以上の大型契約とみられる。26日には入団会見が予定されるが、本人の口からはどんな思いが語られるのか。
東スポWEB