中村悠一、結川あさきと矢野妃菜喜に「芯の強さを感じました」
今回、ご紹介するのは、TVアニメ『逃げ上手の若君』。鎌倉幕府滅亡の後、北条家の生き残りである少年、北条時行が動乱の世を駆け抜ける物語です。北条時行役の結川あさきさん、雫役の矢野妃菜喜さん、諏訪頼重役の中村悠一さんにお話をうかがいました。 【画像】フレッシュな魅力も! 結川あさきさん、矢野妃菜喜さん、中村悠一さんのショット集はコチラ。
「迫力の戦闘シーンも楽しんでいただきたいです」
【イケメンで観るドラマ&映画】vol. 192 『逃げ上手の若君』(通称:逃げ若)は、『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』で知られる松井優征氏が描く、週刊少年ジャンプで大人気連載中の歴史スペクタクル漫画をアニメ化した作品です。 制作は『ぼっち・ざ・ろっく!』 を手掛けるCloverWorksが担当、監督は『ワンダーエッグ・プライオリティ』で副監督を務めた山﨑雄太、シリーズ構成に『その着せ替え人形は恋をする』の冨田頼子、キャラクターデザインに『劇場版ポケットモンスター ココ』で総作画監督を務めた西谷泰史など、奇才たちが集結し、美麗かつ迫力の映像で歴史の一片を紡いでいます。 舞台は、西暦1333年。武士による日本統治の礎を築いた鎌倉幕府が、信頼していた幕臣・足利高氏の謀反によって滅亡した頃。全てを失い、絶望の淵へと叩き落とされた鎌倉幕府、執権の跡継ぎである少年・北条時行は、神を名乗る神官・諏訪頼重の手引きで燃え落ちる鎌倉を脱出。 時行は、逃げ落ちてたどり着いた諏訪の地で、信頼できる仲間と出会い、鎌倉奪還の力を蓄えていきます。時代が移ろう大きなうねりを、「戦って」「死ぬ」武士の生き様とは反対に「逃げて」「生きる」ことで乗り越えていく時行。英雄ひしめく乱世で繰り広げられる、時行の天下を取り戻す鬼ごっこの行方に魅了されます。 ーー本作に出演が決まったとき、どう思いましたか? 結川さん 私は事務所のスタッフさんにサプライズの場を作っていただいて、出演を発表してもらいました。アニメ作品のオーディションに初めて受かったので、本当にびっくりしました。 わからないことがたくさんありましたから、プレッシャーよりも、どういう風に収録をするんだろう、アニメに関する取材を受けるのかな? とか、知らないことに想いを膨らませていました。 矢野さん 出演が決まったときはうれしかったです。所属事務所で、出演が決まったことを発表されたとき、事務所のスタッフさんが原作を召喚していて(笑)。その景色が圧巻で、とても印象に残っています。 中村さん 僕は事務所総出ではお祝いしてもらえなかったのですが(笑)、頼重は原作を読んでいても表情の変化が多く、ある意味とらえどころのない、難しいキャラクターです。 出演が決まってうれしいという気持ち以上に、本格的に収録へ入ったときにいろいろと固めなければならないことがあるだろうなという不安がありました。 ーーAnimeJapan 2024の『逃げ上手の若君』のイベントに登壇された際、アニプレックスの中山信宏チーフプロデューサーが、「(結川さんと中村さんが)ふたりでやりとりしていく中で、キャラクター上でも演技の面でも導いていく、というのをお願いできれば」と語っていらっしゃいました。おふたりは、中村さんのどのようなところに導かれていますか? 結川さん 中村さんは一緒にお芝居をしてくださるだけで、まるで頼重がいるように安心できました。 矢野さん 頼重はシリアスからギャグシーンまでセリフが多く、とても表情が動くんです。中村さんの多彩な演技は、逃げ若はこれぐらい表情を動かして良いんだという軸となっていました。 ーー中村さんは結川さんと矢野さんの演技の魅力をどのようにとらえていらっしゃいますか? 中村さん おふたりともフレッシュさがあるんです。フレッシュさというのは未熟という意味ではなく、そのときにしか出せないものなんです。僕らおじさんには、ないんですよ。あっても困るんですけれど(笑)。おふたりには、フレッシュさがしっかり残っている。それはとても大事なことだと思います。 この作品は長期間をかけて、じっくり時間をかけて録っていったんです。でも結川さんは、収録のたびにきちんと前回の反省点を踏まえて、次のステップに進んでいく様子がすごく見えました。素晴らしいなと。 若い頃、僕は毎週毎週仕事をやることに精いっぱいで、欲を出して次のことをやってみようという余力がありませんでした。少年の役を演じるという難しさも当然ある。結川さんの仕事ぶりを見て、考えてきたことをいろいろと試してみたいんだろうなと思い、僕も勉強させていただきました。 結川さんは、精神的にタフな方なのかもしれません。 結川さん ありがとうございます。中村さんのお話をニヤニヤしながら聞いていました(笑)。 中村さん 矢野さんが演じる雫は、クールで達観していて感情の変化が少ないキャラクターなんです。逆に僕は変化が大き過ぎる役なんですけれど(笑)。変化が少ないなかで、伝え方を正確にし、面白さを入れていかなければならない。テンションで乗り切れない役なんです。 矢野さんは若いのに、その難しいところをしっかりと演じていました。結川さんと同じ、人間的な芯の強さを感じました。おふたりとも、この仕事に必要な資質をしっかりと持っていると思います。 矢野さん 今日、来てよかった…! 結川さん ありがとうございます。頑張ります。 ーー最後に、『逃げ上手の若君』の見どころを教えてください。 中村さん 原作をリスペクトしつつ、アニメーションとして楽しめる作品です。原作者の松井先生が書かれたギャグをしっかりと入れつつも、全編通してこの時代ならではのいつ死ぬのかわからないという死の匂いが漂っている。それはこの作品独特なものだと思いますので、実際に観て、感じていただきたいです。 矢野さん 歴史ものは難しいと思われがちですが、本作は難しさを感じさせない、メリハリがしっかりある楽しい作品となっています。ぜひ観ていただきたいです。 結川さん 時行が逃げるときの髪のなびき方、紅潮している顔や決めのセリフなど、私が原作のいち読者として魅力的だなと思っていたコマが新たなかたちで描かれています。どこから撮っているのかなと思うほど迫力のある戦闘シーンも楽しんでいただきたいです。 インタビューのこぼれ話 『逃げ上手の若君』にちなんで、上手になりたいことを聞いてみました。「私は自己肯定が上手くできないので、リセット上手になりたいです」(結川さん)。「片付けが苦手なので、片付けが上手になりたいです」(矢野さん)。 「お芝居が上手になりたいです。全然足りないと思っています。おふたりもそうですが、それぞれの役者さんが突き抜けたものを持っている。それをうらやましく感じるたびに、少しでも自分もそういう演技ができないかなと思います」(中村さん)。「(芝居上手な)中村さんでも、誰かの芝居を見て良いなと思うときがあるんですね!?」(結川さん)。「ありますよ!」(中村さん)。 意外な一面を垣間見た瞬間でした! Information TVアニメ『逃げ上手の若君』 放送情報:7月6日より毎週土曜日23:30~TOKYO MX・BS11ほか全国30局にて放送中 配信情報:Prime Videoにて7月6日より毎週土曜24:00~見放題最速配信! そのほか、各配信プラットフォームにて7月9日毎週火曜日12:00~ 順次配信 出演者:結川あさき、矢野妃菜喜、日野まり、鈴代紗弓、悠木碧、戸谷菊之介、中村悠一、小西克幸 原作:松井優征(集英社「週刊少年ジャンプ」連載) 監督:山﨑雄太 シリーズ構成:冨田頼子 キャラクターデザイン・総作画監督:西谷泰史 副監督:川上雄介 プロップデザイン:よごいぬ サブキャラクターデザイン:高橋沙妃 色彩設計:中島和子 美術監督:小島あゆみ 美術設定:taracod/takao 建築考証:鴎利一 タイポグラフィ:濱祐斗 特殊効果:入佐芽詠美 撮影監督:佐久間悠也 CG ディレクター:有沢包三/宮地克明 編集:平木大輔 音響監督:藤田亜紀子 音楽:GEMBI/立山秋航 音響効果:三井友和 制作:CloverWorks オープニングテーマ:DISH//「プランA」 エンディングテーマ:ぼっちぼろまる「鎌倉STYLE」 ©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会 写真・園山友基 文・田嶋真理
写真・園山友基 文・田嶋真理