「2200円の値段に度肝を抜かれ」写真集が売れたアンゴラ村長「30歳、ありのままの体型で出すしかない」
ただ、たまたま私が朝から晩まで仕事で出かけちゃう日があって、終電ギリギリで帰ったときに「寂しい」って感情を覚えたみたいで。その日、帰った瞬間に触らせてくれたんです。「こんなに柔らかいんだ」って思った感触は、今でも覚えていますね。 ── それを機にちょっとずつ心が近づいていったんですね。Instagramで、菊次郎くんが始めて腕枕させてくれた写真が載っていて、とてもかわいかったです。 アンゴラ村長さん:菊次郎は今では近くには来てくれるんですけど、なかなか腕枕までできる瞬間がなくて。居心地が悪くなるのか、すぐにぴょんってどこかに行っちゃうんです。初めて成功したときはうれしかったですね。
── 菊次郎君と一緒に過ごすなかで、アンゴラ村長さんご自身はどう変わりましたか? アンゴラ村長さん:家でも明るくなったっていうのが、いちばんの変化かも。それまでは、帰ってきて無言でカバンを下ろして鍵を置いて…みたいな感じで。でも、菊次郎がいると「ただいま」「今日は何してたの?」とか、話しかける相手がいる。イヤなことがあると昔はけっこう落ち込んじゃっていたのですが、菊次郎がいるだけで「うちに帰ったら、猫、いるしな」って思えるんですよね。
猫って人間の感情にそこまで共感したりしない、って聞いてたんですが、菊次郎は私が泣いたときは「え、マジ?」みたいに、めちゃめちゃ驚いた顔で見てくるんです。それからは「私が泣くことで、菊次郎まで悲しい気持ちにさせたらイヤだな」と思って、落ち込むことは減ったかなって気がしますね。 ── 素敵な関係ですね。アンゴラさんにとって、菊次郎くんはどんな存在ですか。 アンゴラ村長さん:ペットというより、友達って感じですね。猫、というよりも人として話しかけたりもしているので。ペットと人、という主従関係みたいにはしないようにしようって思っています。猫を飼っている、というよりも一緒に暮らしているっていう感覚ですね。
PROFILE アンゴラ村長さん あんごら・そんちょう。2015年、早稲田大学在学中にデビュー。17年、スーパー3助とお笑いコンビ「にゃんこスター」を結成、同年のキングオブコントで準優勝しブレイク。今年5月には、初のデジタル写真集『151センチ、48キロ』(講談社)を発売し、話題に。 取材・文/市岡ひかり 写真提供/アンゴラ村長
市岡ひかり