マツダ新型「CX-80」実車をチェック【マツダファン期待の新プレミアムの実力は?】
魅力は走りだけにあらず、キャビン実用性も向上
試乗した印象も、FRプラットフォーム車はスペース効率で設計面のハンデがあるのだが、サードシートの居心地の良さはCX-8以上。ヘッドルームの余裕や足先のスペースの拡大はわずかなのだが、シート形状の身体とのフィット感やクッション性が良くなっており直座感が高まっている。さすがに1BOXのミドルミニバンほどの余裕や居心地とまではいえないが、SUVにこだわるユーザーで多人数乗車の必要があるというならば注目する価値はあるだろう。 もうひとつのポイントとなる走りも進化。サードシートまわりの設計からも分かるように、同乗者への配慮がなされていることも、CX-80の走りの要点のひとつだ。 ◆センターディスプレイは12.3インチの上級システムを搭載。ステアリング奥のメインメーターは、全面グラフィック表示にも対応している12.3インチTFTカラー液晶を採用している。 ◆プレミアムスポーツはセカンドキャプテンシートの6人乗り(撮影車)と7人乗りが用意される。手触りの良いキルティングを施したスウェード調素材(レガーヌ)とナッパレザーシートを組み合わせることで、プレミアム空間を楽しませてくれる。 ◆ミニバン級とはいえないまでも、サードシートも十分な広さを確保。
最新ディーゼルターボの力強い走り、重量増加のハンデはまったくなし
試乗したモデルは、CX-60から展開した3.3Lの直6ディーゼルターボ車(XD Lパッケージ・4WD)と、このエンジンユニットに小型モーターを組み合わせたマイルドハイブリッド車(XD-HYBRID プレミアムスポーツ)。 どちらのモデルも2列シートのCX-60よりもボディサイズが一回り大きくなったこともあり、同等パワートレーンのCX-60に比べると車両重量は200kgほど増加。パワーユニットのスペックは共通の数値なので、パワーウェイトレシオは約1割ほど低下している。ただ、この試乗の印象では、全開加速を除けば重量のハンデはまったく意識しなかった。 そう感じる理由は、低回転からしっかりと大トルクが盛り上がる最新設計のディーゼルターボを搭載していることが大きい。内燃機オンリーのディーゼルターボ車でも最大トルクは51kg-mを発揮してくれるなど、この程度の重量増加をものともしない。むしろ適度な車両の重みが加わることで、サスの動きがより滑らかになるなどドライバビリティは高まった印象を受ける。 ◆ディーゼルターボ車とマイルドハイブリッド車の違いとしては、加速初期の応答性や変速頻度に多少の変化がある。マイルドハイブリッド車の方がよりゆとりを感じさせてくれるが、この変化は極めてわずか。どちらを選んでも力強い走りが楽しめる。