【FPが解説する投資の基本】バイクも株も“推し”で選ぶべし!
株式投資の本当って何?
株式投資とは、簡単に言ってしまえば「株を売り買いしてお金をふやすこと」です。 この売り買いには2つのパターンがあって、短期(1日とか1週間とか)で売買する方法と、企業の成長に寄り添いながら数年から10年程度の長期で売買する方法があります。 【画像】バイクも株も推しで選ぶべし! 1日で売買を完結する取引を「デイトレーディング(デイトレ)」、数日から数週間で売買を完結する取引を「スイングトレード」といいます。これらの短期売買では、会社の業績や将来性よりも、株価の動きを統計的に表したグラフである”株価チャート”とにらめっこしたり、業界のニュースやトピックスに注目したりしながら取引をするものです。短期的な値動きから利益を得るので、投資というよりは”投機”といった方が正しいかもしれません。 一方、数年以上の長期で投資をする方法には、おもに2種類あります。ひとつは「バリュー投資」で、会社の業績や価値に比べ、株価が割安な株を見つけて投資する方法。もうひとつは「グロース投資」で、会社の今後の成長性に着目して、投資する方法です。 われわれファイナンシャル・プランナーがおすすめしている株式投資は、断然後者の長期投資。自分の”推し株”を見つけて、長期にわたり応援すると良いのです。
“推し”は個性の表現
とにかく好きで、熱心に応援しているブランドやアイドルやアニメなどのことを、”推し”といいます。熱心まではいかなくても、ふだん着ている服や身につけている物、使っている物などは“お気に入り”といったりします。 これら”推し”や”お気に入り”は、その人の個性を表現しているものといえますね。さらに個性の表現に留まらず、自分が自分であること、自分が何者であるかを表現したアイデンティティ(identity)でもあるといっても、過言ではないでしょう。 オートバイを持つことは個性の表現であり、アイデンティティでもあります。乗っているオートバイを見れば、その人のアイデンティティがよくわかりますよね。じつは株式投資も同じなんです。長期的に株式に投資するということは、お気に入りの会社の株を探して購入し、その会社の持ち主になることです。だから持っている株を見ると、その人の個性やアイデンティティがわかります。 たとえば、配当金が比較的多く、生活で使える株主優待がある会社、といった基準で株を持っている人もいれば、成長性が高い分野でシェアはトップ、10年後が楽しみ! といった企業ばかりを探そうとする人もいます。筆者の推し株をひとつご紹介するなら、私の地元・愛知県の優良企業F社です。 半導体シリコンウェハー向け研磨材では世界シェア80%超え、無借金経営で自己資本比率80%越えという超優良企業。愛知の優良企業といえばトヨタ自動車やデンソーなどを思い浮かべると思いますが、私の推しの企業は、造っているものがマニアックすぎて目立ちません。 しかし、今の時代になくてはならない半導体チップの製造には欠かせない製品で、「世界シェア80%超を握っている企業ってすごいでしょ!」 っていうのが、私の自慢です。地元愛と知る人ぞ知るっていう、マニアック感が私の自己表現のひとつともなっています。 私の推しのバイク、GPZ900Rはカスタムできるところが多いので、自己表現がしやすいですね。カスタムしないのも自己表現だったりします。見ていて飽きない、トム・クルーズもずっと乗っている(笑)などなど推しの理由はまだまだあります。 このように、推しのオートバイを選ぶときと同じような感覚で、自分のこだわりや自己表現という視点で株を選んでみると楽しいですよ。