「韓国の来年の成長率1%台」主要投資銀行8社中5社が警告(1)
韓国の経済見通しがますます暗くなっている。来年の成長率は潜在成長率の水準を下回る1%台にとどまるだろうという観測が相次いで出ているところだ。韓国経済の成長動力を引き上げる上方要因は多くなく、下方リスクが多いという評価だ。 世界の主要投資銀行8社の来年の経済見通しを見ると、バークレイズ、シティーグループ、JPモルガン、HSBC、野村証券の5社が来年の韓国の経済成長率が1%台にとどまるだろうと予想した。国際金融センターが集計したこれら投資銀行による来年の韓国の成長見通し平均は先月末より0.1ポイント低い2.0%となった。今年上半期の2.2%水準から下落傾向が続いている。 海外で来年の韓国経済を否定的に見る理由は大きく3種類ある。まず輸出、消費、投資など国内景気を左右する主要要因の成長モメンタムが弱まっている。韓国経済を支えた輸出は頂点に達した後に下落に転換するピークアウトが懸念される。実際に月別の前年同期比輸出額増加率は7月が13.5%、8月が10.9%と10%を上回っていたが、9月は7.1%、10月は4.6%と鈍化する傾向だ。こうした流れから推測すると、7-9月期には輸出が前四半期比で0.4%の減少に転じた。この余波により7-9月期の実質国内総生産(GDP)は前四半期比で0.1%増加するのにとどまる。 ◇「反騰のモメンタム見えない」 世界的投資銀行だけでなく、外資系証券会社の中ではSG証券が来年の韓国の成長見通しを当初の2.1%から1.6%に下方修正した。SG証券のエコノミスト、オ・ソクテ氏は「輸出増加率が次第に鈍化する中で、民間消費と投資が反騰しなければならないが、突破口が見られない」と評価した。オ・ソクテ氏は「現在の流れのまま行くならば月別輸出増加率が再び0%に落ち込む可能性もあると考える。消費は消費者物価上昇率が1%台で安定化したが活気を取り戻せずにおり、振るわない建設業を中心に投資も不振が続いている」と説明した。 消費を示す小売り販売も9月に前月比0.4%、前年同月比では2.2%減少し、建設業者の実績を現わす建設既成も前月比0.1%、前年同月比12.1%減少した。建設景気の悪化はさらには雇用市場全般にも影響を及ぼしかねない。 ◇「火を見るより明らか」なトランプリスク 来年発足する米国の第2次トランプ政権の不確実性も韓国には大きな負担となりそうだ。JPモルガンは米国大統領選挙でトランプ前大統領が当選した直後に来年の韓国の成長見通しをそれまでの1.8%から1.7%に下方修正した。JPモルガンは「来年4-6月期から米国が中国製商品に対する関税を大幅に引き上げるものとみられる。来年4-6月期と7-9月期の中国の経済成長率鈍化が韓国の輸出と産業生産の増加率にも悪影響を及ぼすだろう」と明らかにした。