《実録レポート》本誌記者の実家が狙われた!闇バイト「強盗団」の世界で出回る「闇名簿」と「個人情報」のお値段
首都圏で相次ぐ強盗事件。テレビの中のことと思いきや、危険は身近に迫っている。事情通曰く「カネに詰まっているグループが手当たり次第に叩いている」。凶悪化する犯罪組織の手口を追った。 【一覧】こんな家が狙われる…「強盗被害危険度判定チェックリスト30」 前編記事『「今からお父さんとお母さんは避難します!」本誌記者の実家がターゲットに…《実録》闇バイト「強盗団」の手口と恐怖』より続く
「なぜこんな目に…」
その後の流れは前述の通り。警備会社と契約することができたので、家に帰ってきたのだという。 「月1万円の5年契約で、余計な出費がかかることになったけれど、命に比べれば安いもんだよな」 遠い目をして話す両親は、急に小さくなったように見えた。 ―歳を取ったなあ……。 よく見ると、白髪もシワも増えた。両親への憐れみは、だんだんと怒りへ変わっていった。慎ましく暮らしてきた2人が、なぜこんな目に遭わねばならないのか。 両親を狙ったのはここ最近、首都圏で連続して起きている強盗事件と同じ犯行グループなのではないか。確認すべく、対応した組織犯罪対策課の刑事に電話を入れると、快く応じてくれた。 「お父様が遭われたのは振り込め詐欺なので、強盗グループとは別の組織だと思いますよ。でもお父様は、タンス預金があると言っちゃったでしょう。そういう情報は奴らの間で出回るんですよ」
犯罪組織が使う闇名簿
犯罪組織は、行き当たりばったりで強盗に入る家を決めているわけではない。まさにこの刑事が言うように、仲間内で情報をやりとりして、カネのありそうな家、強盗に入りやすそうな家の目星をつけているのだ。犯罪グループはそうした家をリスト化しているという。いわゆる「闇名簿」だ。 いったい闇名簿はどのように作られるのか。過去に特殊詐欺に関わっていた人物が語る。 「まず、名簿屋という専門業者から企業などの顧客リストを仕入れます。内容は多種多様で、健康食品購入者や情報商材の購入者、未公開株保有者、資産運用セミナーの参加者リストなど。そこには氏名や年齢、住所、電話番号が書かれている。一件あたり1~10円ほどで販売されています」 中には、さらに詳しい名簿も存在するという。 「地元の不動産屋や貴金属店、ブランド買取屋、ファイナンシャル・プランナーの中には、犯罪組織に情報を流している悪い輩がいる。資産状況まで細かく記載された名簿は値段が跳ね上がり、一件あたり1万円ほどになります」(同前)