館山市の小中学校再編案公表 神余小は小規模特認校の「分校」に位置付け(千葉県)
館山市と市教育委員会は、市内の全小中学校を対象とした学校再編の計画案を作成し、公表した。地区から単独での存続要望が出されていた神余小については、房南小と統合してつくる小規模特認校の「分校」を現神余小に設置すると位置付け、分校を存続するための条件も組み込まれた。 この計画案は、各学校単位で組織した「学校のあり方を考える会」「学校再編委員会」での話し合いに加え、学校区での意見交換会の結果と、市学校再編調査検討委員会からの答申を踏まえて作成した。 小学校の再編については、神余地区を除く9学校区で、クラス替えが可能となる学校規模での学校再編を望む意見がまとまっており、2026年度以降、順次統合する。神余地区では一貫して単独での存続要望が出されていたが、これまでの素案や市学校再編調査検討委員会の答申には反映されていなかった。 今回の計画案では、26年に神余小と房南小を統合して市内全域から通える小規模特認校を設置し、房南小の校舎に本校、神余小の校舎に分校を置くこととした。昨年まとめた素案では、分校はなく、房南小の校舎を使用し、小規模特認校を置くとしていた。 神余地区では、移住施策を積極的に実行し、今年度の神余小全校児童19人(5月1日時点)の半数以上が同小への通学を希望して全国から移住してきた世帯の児童であることなど、他地区とは状況が異なることなどから、分校として設置する案に至った。 ただし、分校を存続するには条件があり、▽27年5月1日時点で児童数が36人以上▽28年度以降の5年間においても36人以上を確保できる見込みがある――などとしている。条件を満たさない場合は、28年4月に本校(現房南小)に統合するとしている。 全体的な計画案は、小学校は27年度までに4校とし、30年度に、32年度以降一部の小学校について再編するかどうかを検討。中学校は31年度までに段階的に1校に統合する。 市などは、今後パブリックコメントを募り、11月中に「館山市立小中学校再編計画」を策定する方針。