5月17日は「高血圧の日」 放置すれば命の危険も…最新知見に基づく対策開始を
●新しい降圧薬を試す
高血圧の治療薬にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴や効果、副作用が異なります。日本で多く使われている降圧薬はカルシウム拮抗薬(CCB)とアンジオテンシンIIタイプ1受容体拮抗薬(ARB)です。CCBは7割以上の患者が服用しており、効果が強く副作用が比較的少ないという特徴を持っています。また、ARBは腎保護作用があり、蛋白尿のある患者には積極的に利用されています。 一方で、近年新しい機序(薬が効果を発揮する仕組み)の降圧薬が臨床の現場で使用されるようになってきました。たとえば、以前は心不全にしか適応がなかったサクビトリルバルサルタンは、現在は高血圧の治療にも使われています。この降圧薬はネプリライシン阻害作用を持つサクビトリルと、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)であるバルサルタンを1:1の割合で含有しており、体内にたまった余分な水分や塩分を排出する作用も期待されます。外食が多く、減塩が難しい中高年の患者にとっては好適な可能性がある薬だと言えるでしょう。 高血圧において降圧薬の使用ポイントは、 ①長時間効果のある降圧薬を選び、朝夜ともに降圧作用がある薬を選択すること ②基礎疾患がある場合は、単に血圧を下げるだけでなく、心臓や腎臓などの臓器保護作用のある降圧薬を選択すること です。自分に合った降圧薬を飲むために、ぜひかかりつけの医師と相談してください。 繰り返しますが、高血圧は適切な管理と治療によってコントロールが可能です。 ・自身の血圧を知り、必要に応じて医療機関を受診すること ・医師の指導のもとで治療を続けるとともに、定期的に自分で血圧の測定と記録を行い、治療の効果を確認すること を心がけ、動脈硬化を進行させないようにしましょう。
メディカルノート