新NISA《つみたて投資枠》《成長投資枠》「30~40代」「50代」…それぞれの活用方法
「30~40代」の新NISA活用方法
この先さまざまなライフイベントを控えている30~40代は、堅実に増やしながら、必要なお金を適時取り崩すというのが新NISAの主な活用になるでしょう。 つみたて投資枠・成長投資枠の活用戦略としては ①つみたて投資枠でコア資産を作る ②つみたて投資枠でコア資産を作りつつ、成長投資枠でサテライト資産として個別株に少額投資 が考えられます。 《つみたて投資枠》でリスク許容度に合わせてバランス型やインデックス型投資信託に投資する、はたまた、それに加えて《成長投資枠》で個別株に少額投資するという具合です。 最近は、各社の株式分割が進み、各証券会社で1株(単元未満株)から投資できるようになっていますので、個別株に少額投資するのも面白いでしょう。 ◆「50代」の新NISA活用方法 50代は、これまでの人生の中で給与収入がもっとも高い時期になっていることでしょう。子育て世帯でも家計がひと段落する頃合い。定年までの最後の貯めどきですので、全力でお金を貯めていきたいところです。 新NISA《つみたて投資枠》で月10万円投資することが可能ならば目指しましょう。資産・家計的に問題ないのであれば、《成長投資枠》を併用して毎月の積立金額を増やしても良いと思います。《成長投資枠》でも、《つみたて投資枠》にラインアップされている商品に投資することができます。 新NISAの《つみたて投資枠》・《成長投資枠》の活用戦略としては30~40代と同じでも良いのですが、定年後の資産取り崩し期を見据えて、「不労所得を得られる資産」に投資しておくのも一つの手です。定年後にただ資産が減っていくのは、気持ちのいいものではありません。 《成長投資枠》で高配当株や高配当株ファンド・ETF(上場投資信託)、債券ファンド・ETF、REIT(不動産投資信託)やREITファンド・ETFなどに投資を行い、定年後に配当金や分配金の形で不労所得を得る戦略です。高配当株や高配当株ファンド・ETFの方が、資産増の期待が高く、資産が増えればそれだけ将来もらえる配当金・分配金も増えます。 例えば、高配当株に投資をして、定年後に資産1000万円になっていた場合、配当利回り4%なら、毎年40万円の配当が非課税で受け取れます。 なお、高配当株は配当利回りの高さだけで飛びついてはいけません。配当利回りは「1株あたりの配当金÷株価×100」で算出され、「株価下落で配当利回りが高い」銘柄も含まれます。株価が下がる主な理由は業績悪化です。業績悪化が続けば、配当を減らす「減配」や配当をなくす「無配」の可能性が高まります。減配や無配になれば、株価はさらに下がるでしょう。 業績が好調であるか、財務が健全であるかなど銘柄選びは慎重に行いましょう。 新NISAは自由度が高い分、戦略の幅も広がります。焦らず、ご自身の資産・家計・リスク許容度に合わせて、新NISAを活用していきましょう。 文:頼藤 太希(よりふじ・たいき) (株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント。中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。’15年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版』(宝島社)、『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)など著書累計130万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。
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