新NISA《つみたて投資枠》《成長投資枠》「30~40代」「50代」…それぞれの活用方法
◇2_資産や家計の状況に合わせて「適切な投資金額」を決める 資産・家計的に無理な状況で新NISAを始めてはいけません。投資はお金が増える可能性はある一方で減る可能性もあります。また、預貯金がほぼゼロの状態で投資を始めてしまうと、ケガや病気、リストラなどの問題に対処できなくなります。 生活費の6ヵ月分は少なくとも預貯金など元本割れせずに、すぐに引き出せる安全性の高い資産で確保しておきたいところです。 また、いくらアップグレードされた新NISAでも、マイホームの頭金、車の購入費用など、5年、10年以内に使うことが決まっているお金の準備には向いていません。こうしたお金は、元本割れしにくく、少しでもお金を増やせる定期預金や個人向け国債などで用意するのが良く、なんでも新NISAで用意しようというスタンスは止めましょう。 ◇3_「コア・サテライト戦略」の実践 お金を減らさずに増やす戦略として「コア・サテライト戦略」があります。コア・サテライト戦略では、自分の資産を長期安定成長の「コア資産」と積極運用の「サテライト資産」に分けて運用します。 このコア・サテライト戦略を新NISAで実践するというわけです。 新NISAの場合、総資産の7割~9割を占めるコア資産はインデックスファンドやバランスファンドといった投資信託、ETF(上場投資信託)が対象。サテライト資産には、日本株や米国株の株式投資やアクティブファンドが候補となります。 新NISAでは、コア資産100%で運用する戦略や、コア資産とサテライト資産のハイブリッドで活用する戦略が考えられます。 ◇4_リスク許容度に合わせて資産配分・商品選択 基本的には新NISAの《つみたて投資枠》を活用して、じっくり時間をかけて資産形成するのが王道の戦略です。 《つみたて投資枠》で投資できるのは、先述の「長期・積立・分散投資」に適した、低コストの商品のラインアップとなっています。投資信託はそれ自体が分散投資できている商品なので、複数の商品に投資する必要はなく、1本または2本に絞って投資するので問題ありません。 《成長投資枠》で自由に投資したいと思う人も中にはいるかもしれませんが、《つみたて投資枠》から始めて、次のステップで活用するのが良いでしょう。 投資商品は、リスク許容度(いくらまで損に耐えられるかの度合い)に合わせて選びましょう。リスク許容度は人によって異なります。 リスク許容度が低いのであれば1本で株や債券に投資する「バランス型投資信託」、積極的にリスクを取りたいならば、世界株に投資する「インデックス型投資信託」などが候補になってくるでしょう。 たとえば、リスクを抑えて堅実に増やしたい方は「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」や「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」が低コスト商品でおすすめ。積極的にリスクをとって増やしたい人「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」や「SBI・V・全米株式インデックスファンド」が低コスト商品でおすすめです。