新NISA《つみたて投資枠》《成長投資枠》「30~40代」「50代」…それぞれの活用方法
「50代は、給与収入がもっとも高い時期。全力でお金を貯めていきたいところです」
’24年から大幅にアップグレードされた「新NISA」がスタートしました。 まず制度自体は恒久化されたので、投資期限がなくなりいつでも新規の投資ができるようになりました。非課税期間は無期限化され、一生涯投資の運用益にかかる税金が非課税になりました。 【金融庁のデータ・やらなき損!?】すごい…!100万円が、5年後に、10年後にいくらに…? 年間の投資上限額は、つみたてNISAから《つみたて投資枠》に名称を変え、年間40万円から3倍の120万円に拡大。一般NISAから《成長投資枠》に名前を変え、年間120万円から2倍の240万円に拡大されます。 また、新NISAでは、両投資枠の併用が可能になりますので、合計で年間360万円の投資ができます。ただし、年間360万円の投資が一生涯できるわけではなく、一人あたり生涯投資枠が設定され1800万円までとなります。 《つみたて投資枠》だけで1800万円使用することは可能であり、《成長投資枠》だけ活用する場合は1200万円まで使用できます。 また、新NISAでは商品を売却して生涯投資枠に空きが出た場合、その売却枠を再利用して投資をすることができます。 投資商品については、《つみたて投資枠》はつみたてNISAと同じく、国が定めた条件をクリアした投資信託・ETF(上場投資信託)となります。本稿執筆時点では約270本がラインアップされています。 《成長投資枠》は、一般NISAと基本同じですが、「株式の整理銘柄・監理銘柄」「信託期間20年未満の投資信託」「高レバレッジ型の投資信託」「毎月分配型の投資信託」が除外されます。 いずれも長期の資産形成に向かない商品と判断され、除外されています。《成長投資枠》の投資信託は、本稿執筆時点では約1800本がラインアップされています。 ではここからは、新NISAの《つみたて投資枠》と《成長投資枠》の30~40代、50代それぞれの活用方法を一緒に考えていきましょう。 ◆全世代共通の新NISA活用「4原則」 まずは、全世代共通の新NISA活用4原則をお伝えします。 ◇1_「長期・積立・分散」投資と「低コスト」の実践 リスクがないとリターンが得られません。しかし、リスクがある以上、お金を失う可能性があります。このリスクと上手に付き合って、お金を堅実に増やすには、長期・積立・分散投資に取り組むことが重要です。 金融庁『はじめてみよう! NISA早わかりガイドブック』には、’89年以降、毎月同じ金額ずつ国内外の株式と債券に分散しながら積立投資を行った場合の年間収益率が紹介されています。 投資収益率の分布をみると、保有期間5年の場合バラバラです。また、元本割れをしている時期があることもわかります。一方、保有期間20年の場合は、’89年以降のデータでは元本割れとなったケースはなく、年2%~8%の間に収まっています。 元本割れリスクを極力減らすためには、積立・分散投資を20年以上続ける必要はありそうだとわかります。つまり「長期」とは20年が一つの目安です。 また、投資にかかる費用をどれだけ低く抑えるかも重要。とくに、投資信託の保有中にかかる「信託報酬」が安い商品を選びましょう。