どちらが勝つか?注目の新井兄弟対決。
新井貴浩内野手(38)が阪神から広島へ移籍したことで阪神の実弟・新井良太内野手(31)と、2人の兄弟は、今季敵味方にわかれて戦うことになった。 広島と阪神には上本博紀内野手(28)、上本崇司内野手(24)の兄弟もいるが、その立場もプレースタイルも似ている新井兄弟により注目が集まる。ちなみに阪神時代の昨季の兄弟の成績は、兄が94試合出場(スタメンが36試合)で打率.244、3本塁打、31打点、弟が78試合出場(スタメン出場が41試合)で打率.295、7本塁打、34打点で弟が兄を若干上回っている。2人が“本塁打競演”でもすれば、両チームのファンは多いに盛り上がるだろうが、果たして新井兄弟対決の軍配は、どちらへ上がるのか。 阪神時代に2人と接点のある阪神DCで評論家の掛布雅之氏に意見を聞いた。 「お兄ちゃんは、広島で非常に状態がいいと聞いている。自ら選んだ選択。彼には意地があるだろう。強い気持ちで野球に取り組んでいるのがわかる。阪神にとっては、怖い存在になると思う。阪神ではゴメスが一塁に固定されているのでなかなか出番は難しかった」 広島のキャンプでは、新井の懸命さが目立った。緒方新監督も、ことあるごとに「新井」の名前を出した。メジャー凱旋の黒田博樹が初のシート打撃に登板した際には、新井が打席に立って一発を浴びせるなど、仕上がりも早く、THE PAGEのインタビューでも「いつ潰れていいくらいに気持ちで全力でいく。今年駄目なら身を引く覚悟もできている。弟との対決うんぬんより自分のことで必死」と、悲壮な決意を語っていた。 一方の弟の良太についても掛布氏は、「キャンプから力を抜くというバッティングのスタイルに取り組んでいる。チャンスに力むと結果につながらないから非常にいい取り組みだと思う。具体的には、トップの位置をゆったりと余裕を持たせる打法。彼の元気、長打力というものは、チームに不可欠な戦力だ」と評価していた。 では、どちらが結果を出すのだろうか? それはイコール、試合出場機会に左右されるだろう。「どちらが使われるのか」と定義したほうがいいのかもしれない。