山川穂高 古巣の獅子党も沈黙のどすご~い2打席連続満弾、満弾!…2回目は「迷いましたけど」控えめどすこ~いポーズ
◆パ・リーグ 西武2―11ソフトバンク(13日・ベルーナドーム) かつての“庭”で球史に残る2度のどすこいポーズを決めた。最後は古巣のファンも静まりかえった。ソフトバンク・山川穂高内野手(32)が、パ・リーグ初の2打席連続グランドスラムの離れ業だ。「本当にたまたまです。謙虚にやっていきたい」。ヒーローインタビューはなかったが、インパクト十分な働きだった。 まずは6回1死満塁で左中間席に運んだ。ベンチに戻ると泣き顔でバットをさすって感謝。「うまくいかないときってどうやっても当たらない。『本塁打はどうやって打つんだっけ』って。苦しかった」。5回無死満塁で空振り三振。3月29日の開幕戦(対オリックス、京セラD)の決勝ソロから遠ざかった51打席ぶりの一発は、12球団制覇弾&2年ぶりのベルーナD弾だ。 さらに8回無死、再び塁が埋まった状況で「理想通り」と直球を捉え、左翼席上段へ今季3号。1試合2本の満塁本塁打は史上3人目で、2打席連発は06年の二岡(巨人)以来2人目だ。8打点も03年の松中らに並ぶ球団最多の快挙となった。 どすこいパフォーマンスを初披露したのが、西武時代の19年3月29日のソフトバンク戦(ヤフオクD)。「打ったらやるもんだと思って」と続けてきた。昨年は自身の不祥事があった中でFA移籍。3三振した12日は大ブーイングを浴びた。1本目に「どうしようかなという部分もあるんですけど、求められて」と同僚の期待に応え、獅子党の反感を買った。2本目は「本当に本当に迷いましたけど。小さめで」と、両手の動きを控えめにした。 チームは今季最多11得点で2度目の3連勝。リーグの貯金を5で独占し、2位と2・5差に広げた。「安打よりは本塁打の方が僕は乗っていけますので」。目覚めた4番がタカを上昇気流に乗せる。(小松 真也) ◆記録メモ 山川(ソ)が6、8回に2打席連続満塁本塁打。チームの1試合2満塁本塁打は、20年7月28日対ヤクルト戦の阪神がボーア、サンズで記録して以来29度目、パでは18年8月26日対西武戦のソフトバンク(今宮、グラシアル)以来15度目。前身を含めソフトバンクは5度目。広島、近鉄の4度を上回り最多回数だ。 この日は、山川が1人で2本の満塁弾。個人で1試合2満塁本塁打は、51年10月5日対阪急戦の飯島滋弥(大映)が1、7回、06年4月30日対中日戦の二岡智宏(巨)が4、5回に記録して以来3人目(パ2人目)。2打席連続は二岡に次いで2人目。パでは初めてだ。 満塁2発で1試合8打点。西武時代の18年4月25日対ソフトバンク戦の7打点を抜いて自身最多となったが、1試合8打点は、70年4月12日ロッテ戦のジョーンズ、90年7月17日ロッテ戦の岸川勝也、03年9月17日近鉄戦の松中信彦と並ぶ球団最多タイ記録になった。 6回の本塁打は、古巣の西武から初本塁打で、全12球団本塁打のおまけ付き。全球団本塁打は、昨年6月17日対ヤクルト戦で達成した森(オ)以来、プロ野球44人目だ(セ・パともに2球団以上所属が3人、近鉄含む13球団が8人)。 2本の満塁弾が記録ずくめとなった。(福山 智紀)
報知新聞社