自分の住む街を「もっと楽しくしたい」と行動を起こしている大家さんを取材!
人に会う大家だから地元の人がやりたいことも知れる
「大家さん」は、管理会社に業務をお任せし、住人と直接対面しないことの方が一般的です。しかし、足立さんはそうではない道を行きました。 「親戚にアパートを経営している人がいて、夏になると住人さんとバーベキューをしていたんです。すごく楽しそうで、住む人たちが顔もわからない状況より安心感があるし、そんな風に暮らせる場所を作ることが、大家にとっての理想と感じました。それで僕も、住人さんと入居時に顔合わせをすることからはじめて、最近では草がのびれば切りに行くし、水漏れがあれば直しに行く、自ら動く大家になりました」。 関わりが増えるに連れて会話も増え、さまざまな声をキャッチするように。「何かをやってみたい人って、結構いる」と実感したそう。ならば街の中に気軽にチャレンジできるような場所をつくろうと、昨年からは、ポップアップスペースの運営も始めました。 「今、駅前は再開発の検討に入っています。再開発って、もともとその街にある文化を取り入れて進めたほうが個性が出るし、いい形で発展できると思うんです。東長崎には、代々続いている個人商店も多くて、その人たちも新しい店を温かく応援してくれます」。 足立さんは多くのことに直接対応することで、顔の見える関係を増やしています。街の文化がいい具合いに熟成された未来が見えるようです。
足立さんがはじめたこと
1 「行きたい場所」をつくる 自分のために、「家族でちょっと立ち寄れるカフェがほしい」と借り手を探したのが、足立さんの最初の一歩です。元洋品店を改装したコーヒーショップ「MIA MIA」は、たちまち人気店に。いつもにぎわっています。 2 「借りてくれる人」に会う 他の場所で「カカオ工房トリビュート」を営んでいたふたり。ロマンさんのチョコレートづくりへの真摯な姿勢と、トモミさんのコミュニケーション力に惹かれた足立さんが「東長崎に来て欲しい」と誘いました。 3 誰かの「やってみたい」を試す 集合住宅「壱番館」の前には、住人からの希望で、読み終えた本を交換するためのブックポストを設置。誰かの「やってみたい」をみんなで実践するという、大家と住人を越えた関係になってきました。 撮影協力/オディール 、カオ工房トリビュート 、こころの本屋 、MIA MIA 参照:『サンキュ!』2024年11月号「あしたを変えるひと」より。掲載している情報は2024年9月現在のものです。 編集/サンキュ!編集部
サンキュ!編集部