トマトジュースが活性化 1-5月販売金額30%増 美容・健康ニーズに対応 インテージ調べ
2024年の1-5月、トマトジュースの販売金額が前年比30%増となった。マーケティングリサーチ会社のインテージが発表した「2024年、上半期売れたものランキング」で明らかとなった。同ランキングでは「トマトジュース」のカテゴリーは4位を記録した。 販売金額増の主な要因は、価格改定と美容・健康ニーズの高まりが挙げられる。 世界的なトマトペーストの高騰や、エネルギーなどのコストの上昇により、各社は価格改定を実施。2月1日にカゴメと伊藤園が野菜系飲料製品の出荷額価格を改定し、キッコーマン食品も4月1日納品分から「デルモンテ」ブランドのトマトジュースなどの価格改定を行った。 一方で、新たな需要獲得の動きもあった。 カゴメはトマトジュースの好調が24年1-3月の飲料事業の増収増益に貢献。飲料の売上収益は前年比16億4800万円増の181億3400万円、事業利益は前年比2億2100万円増の18億700万円を記録した。 同社は「トマトジュースで血圧・コレステロールが気になる健康関心層と美容関心層の新規ユーザーを獲得した」と説明する。 昨年から、SNSを中心に、トマトやリコピンと美容・健康に関する話題が増加。トマトに含まれているリコピンには強い抗酸化作用があると言われ、美肌・美白やダイエットに効果があるという情報が女性を中心に広まっている。 これを受け、トマトジュースの主要購買層だったシニア層以外に若年層も流入。需要の拡大につながった。 同社は、機能性表示による健康訴求も需要拡大を後押ししたとみる。 「カゴメトマトジュース」シリーズは、リコピンとGABAが含まれており、「善玉コレステロールを増やすことをサポート」「血圧が高めの方の血圧を下げることをサポート」の機能性表示食品。この健康訴求が、生活習慣病に関心の高い50-60代に浸透した。 伊藤園のトマト飲料も昨夏から伸長し24年に入ってからも好調に推移。24年1-6月のトマト飲料の販売数量実績は、前年比17%増を記録した。 「昨年より若者の間でトマトが美容に良いとの話が広まり、それ以来、好調をキープしている状況」とみている。