GDP 世界4位に後退 日本経済 成長強化のカギは?【WBS】
落ち込む「個人消費」の現場で...
輸出が伸びているにもかかわらず、成長率が振るわなかった今回の実質GDP。その最大の要因は0.2%減と3四半期連続のマイナスになった個人消費です。物価高の影響で、食料品などが売れない状態が続いているのです。 こうした中、ハンバーガーチェーン大手のロッテリアは、先週から平日ランチタイム限定の値下げに踏み切りました。 人気の絶品チーズバーガーやエビバーガーのセットは100円お得な690円に、テリヤキバーガーも650円と安くしました。
客からは「他の店と金額に差がなくなったので、普段食べないところで食べてみようと」「普段の昼食代は800~1000円いかないぐらい。ありがたい」との声が上がります。 最大手のマクドナルドは1月、原材料高騰や為替コスト上昇などの理由から、およそ3割の商品の値上げを発表しました。ロッテリアの新戦略はその真逆となります。 値下げができた理由について、ロッテリアは「2023年4月に(すき家を運営する)ゼンショーHDの傘下になり、食材の調達ルートなどをこれまでより拡大できた。節約志向を強める客を取り込んでいきたい」といいます。 個人消費の拡大に向けた企業の努力が広がっているものの、「第一生命経済研究所」首席エコノミストの永濱利廣さんはGDPを上げるには、より重要なことがあると指摘します。 「物価高に消費が負けているということは、賃金の増加以上に物価が上がってきてしまっているということ。個人消費の持続的な拡大を促す上では実質賃金の安定的なプラスが不可欠」
経済成長に必要なものは?
日本の経済成長に欠かせない賃上げ。15日、新たな動きがありました。 日立製作所では、労働組合が経営側に春闘の要求書を提出。金額で1万3000円のベア5.5%の賃上げを求めました。経営側である日立製作所の田中憲一執行役常務は「個人消費の拡大がGDPの上昇に繋がる。賃上げが個人消費の上昇に繋がる。生産性・収益を上げて、サステナブルな形で賃上げ、ベアにつなげていきたい」と話しました。 名目GDPで世界3位の座に就いていた日本。しかし、2023年はドル換算で4兆2106億ドルとなり、ドイツに抜かれ、4位に後退したのです。円安が進む中、ドルを基準にすることでGDPが目減りした影響も大きいと言いますが、今後日本に必要なことは何なのでしょうか。 「重要物資などの生産拠点を国内に集積させることで、国内で良いものを作り、輸出することを加速させることが重要」(第一生命経済研究所の永濱さん) ※ワールドビジネスサテライト