GDP 世界4位に後退 日本経済 成長強化のカギは?【WBS】
15日、内閣府が発表したGDP。まず去年1年間の名目GDP、こちらは物価の変動が反映され、生活の実感に近いものと言われています。この名目GDPは5.7%増え591兆4820億円で、過去最高額となりましたが、これをドルに換算すると…ドイツを下回り世界4位に後退しました。一方の実質GDPは、名目GDPから物価の変動による影響を取り除いたもので、経済成長の実態に近いものとされています。去年10月から12月期は前の期から0.1%減り、2四半期連続のマイナス成長となりました。いずれも厳しい結果ですが、状況を好転させるカギはどこにあるのでしょうか? 2四半期連続のマイナス成長となった実質GDP。物価高騰などの影響で個人消費や設備投資がふるいませんでした。一方で前の期から増えたのが輸出です。インバウンド需要などの影響を受け、2.6%増えました。輸出だけが気を吐いているのです。 幕張メッセで開かれている食品流通業界向けの展示会「スーパーマーケット・トレーディングショー」。国内からおよそ2200社が出展しました。多くの関係者が詰めかける中、特に会場を熱心に見て回っていたのは、海外のバイヤーです。JETRO(日本貿易振興機構)が日本の食材に関心を寄せる12カ国のバイヤーを招待し、日本企業との商談の機会を提供しました。 その理由についてJETRO農林水産食品部の安東利華さんは「日本からの農林水産物の支出は過去10年間右肩上がりで伸びている。円安に頼りすぎる状況もよろしくないので、海外の市場と裾野を広げ、輸出を伸ばす努力は、引き続きしないといけない」と話します。 実は2023年、農林水産物と食品の輸出額はおよそ1兆5000億円と過去最高となりました。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に伴い、中国が輸入を規制した影響などが懸念されましたが、円安などが追い風となった形です。 中華麺の製造や販売などを行う「クラタ食品」を訪ねたのは、アルゼンチンで日本食の卸売りをしている男性。とんこつラーメンに注目したようです。 「アルゼンチンで日本食がブームでラーメンが出始めている。日本の商品は値段が高いのがネックだった。今の円安はとても助かる」(アルゼンチンから来たバイヤー) 話し合うことおよそ40分、見事商談が成立しました。早ければ来月から取引が始まるといいます。 「輸出先の37カ国目がアルゼンチンになる。国内は高騰している原材料が粗利に結びつかず苦しいのが本音。外食の人たちも外に出るチャレンジをしていて、海外の売り上げは増え続けている」(クラタ食品の倉田安彦社長)