美人モデルボクサー東洋1位に敗れる
モデルとボクサーの二刀流アスリート、高野人母美(27歳、協栄)が24日、後楽園ホールで行われたスーパーフライ6回戦で、OPBF東洋太平洋同級1位のカイジョンソン(31歳、竹原&畑山)に5回、TKO負けしてプロ初黒星を喫した。 高野は、序盤からプレッシャーをかけたが、カイジョンソンの左右への速い動きと、振り回してくるフックに手を焼いた。3回、起死回生のダウンを左フックのカウンターで奪うがフィニッシュにもっていくことはできずに、逆に完全なガス欠状態。4回の終了間際も、コーナーにつめられ連打を浴びて防戦一方となったが、5回に再び左右のフックからコーナーに詰められ連打を浴びて、反撃の意志がなくなるとレフェリーが割って入った。 場内は、反官びいきのファンから大歓声。ビジュアルや計量パフォーマンスでは完敗、おまけに試合前には、デビ夫人が高野に花束を渡すなど、高野の噛ませ犬的な役回りだったが、ボクシングは、真剣勝負であることをカイジョンソンは証明した。 「パンチが届かないので、前後の出入りの動きと、サイドから攻めることを意識しました。セコンドの指示に従っただけだけど、ボクサー対ボクサーの試合をしたかった」 カイジョンソンはリングネーム。NBAのマジック・ジョンソンが好きで拝借したが、正真正銘の日本人女子ボクサーだ。今回は、高野効果でチケットもいつもの1.5倍売れたと喜んだ。現在は、日焼けサロンと、大学のトレーニングセンターの受付業務を兼務しながらのボクシング生活。これで戦績は5勝(2KO)5敗3引き分けとなったカイジョンソンは「いつか東洋ベルトに挑戦したい」と夢を語った。 一方、勝てば年内に、その東洋太平洋への挑戦が計画されていた高野はプランが白紙になった。それでも涙はなく、ポジティブに試合後のインタビューに応じた。 「悔しいけれど、プロになって本気で殴り合ったのは初めてで、それが楽しかった。ファンの方には申し訳ない気持ちですが、ボクシングをやったんだという実感が沸いた」