ベルリン・アート・ウィークで見たアートとファッションの交錯 国内外の気鋭ブランドが集結
今月には、浅川喜一朗が手掛ける「シュタイン(SSSTEIN)」の取扱いもスタートした「アンドレアス ムルクディス」では、今後も他では見られない希少な日本ブランドが増えていくことだろう。
世界のギャラリーが一堂に集結したアートフェアで見せるファッション
「毎年テンペルホーフ空港跡地の格納庫を会場に開催されるのが「ポジションズ・ベルリン・アートフェア(POSITIONS Berlin Art Fair)」だ。世界24カ国から111のギャラリーが出展し、今年は特に韓国のアートシーンに焦点を当てたフェアということもあり、アジア人作家の作品が目立った。1万2000平方メートル、16メートルの天井高という敷地面積を誇り、飛行場を見渡すことができる開放的かつ非日常的な会場に設置されたオープンブースと作品点数の多さに圧倒される。
同フェアは、国際的なコンテンポラリーアートギャラリーのプラットフォームとして認知されているが、その一環として同会場内で開催されたのが「ファッション・ポジションズ(FASHION POSITIONS)」だ。第6回目となる今年は、「ファッションとアートのダイナミックな交差点に光を当てる」をコンセプトに、ベルリン拠点のファッションデザイナー20人が参加し、ギャラリー同様に各ブランドのオープンブースが設置され、作品が展示された。
台湾をルーツに持つ「#ダムール」は、生産過程で出る端材や余ったパーツを靴にコラージュしたアップサイクル作品を発表。デザイナーのダマー・チェンは「ハイファッションとアートをシームレスに融合させ、イギリスの伝統的な食事スタイル“ハイティー“の心遣いや創造性からインスピレーションを得た作品です」と述べている。
ベルリンのミッテ区に路面店を構える「クルーバ (CRUBA)」は、アカデミー賞授賞式のレッドカーペットでドナータ・ヴェンダースが着用し、話題となったVHSテープのアップサイクルドレスを展示。来場者の多くが足を止め、じっくり観察する姿や写真撮影する姿も見られた。また、会場内には期間限定のポップアップストアが開設されており、出展ブランドのコレクションの一部や現行の商品を購入することが可能となっていた。