積み上げてきたものすべてを出して連勝誓うブラックラムズ。マイナス19点から始まるグリーンロケッツは超攻撃的を誓う
一方のグリーンロケッツは、0-19のビハインドからゲームが始まると認識して、攻撃的に80分を過ごすつもりだ。 その心意気は、メンバー編成にも表れている。
前戦でケガ人が出た影響もあり、エースのレメキロマノラヴァがアウトサイドCTBに入った。 これまで外側で防御を突破し、得点に絡んできた好ランナーは、これまで以上にボールタッチが多いポジションに立つ。主将として、仲間を牽引する姿勢を強くする。
レメキ主将は、今季終了後にチームを離れると発表されている。 責任感が強く、仲間思いで、ファンの期待に応える男だ。「絶対に勝って、D1に昇格させる」と言い切る。 「最後の最後まで全力で戦い、絶対に倒れない。見ていてください」 その闘志は、チームを勝利に導くいちばんのエナジーとなる。
SOには吉村紘が入った。脳震盪もあり、今季は1試合だけの出場も、攻撃センスにあふれる選手だ。 国際舞台での経験も豊富なSHニック・フィップスとのコンビで、パワーある周囲の選手たちの力を引き出すだろう。
ウェイン・ピヴァック ヘッドコーチは前戦を振り返り、相手に与えたトライの多くが、ゴール前10メートルに侵入され、力づくで奪われたものだったことに後悔する。
「相手のパワーを受けてしまった前半が悔やまれる。戦うエリアを考えながら、攻撃的な80分にします」と選手に期待を寄せる。
スクラムを安定させ、落ち着いたゲームの入りから始めたい。 この試合で引退する36歳のFL細田佳也への期待も大きい。経験値が高く、ラインアウトでも力を発揮するタイプだ。最初から、飛ばしに飛ばしてほしい。 後半に、ベンチからパンチ力のある選手を投入するつもりだ。
キックオフ直後からガムシャラに攻めるより、3点でも5点でもスコアを重ねて先手を取り、勢いを得て一気に圧倒したい。 気がついたら20点差がついていた。そんな展開が理想。すべてを出し切る覚悟は全員にある。
田村一博