50代夫婦で「貯蓄3000万円」達成! これだけあれば老後は安泰?“賃貸暮らし”でも問題ない?「同世代平均」とも比較
かつて老後2000万円問題として、ゆとりある老後を送るためには老齢年金と約2000万円の貯蓄が必要だという調査結果が公表され、大きな話題となりました。50代夫婦で3000万円の貯蓄を達成している場合、老齢年金と合わせれば、老後は安泰と考えていいのでしょうか? 本記事では2人以上世帯における平均貯蓄額や50代の平均貯蓄額との比較、貯蓄3000万円を達成した50代夫婦の老後は安泰なのかについて解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
2人以上世帯の平均貯蓄額はいくら?
総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)によると、2人以上世帯における2023年の貯蓄額の平均は1904万円、貯蓄保有世帯の中央値は1107万円となっており、2023年の平均値は比較可能な2002年以降では最多の金額となっています。 また同調査の2人以上世帯における世帯主の年齢階級別貯蓄額において、50代の平均貯蓄額は1705万円ですので、50代で貯蓄3000万円以上というのは全世代の平均貯蓄額、50代の平均貯蓄額よりも多い金額を保有しています。 ちなみに貯蓄3000万円以上を達成している2人以上世帯の割合は19.6%となっており、5世帯に1世帯は貯蓄3000万円を達成しています。この結果は「意外に多い」と感じる人もいるのではないでしょうか。
老後の平均的な収支だと老後の生活は安泰?
総務省の家計調査報告(家計収支編)によると、2023年の65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の実収入は約24万4000円(可処分所得は約21万3000円)、消費支出は約25万1000円となっています。 厚生労働省がモデル年金世帯として公表している例では、平均的な年収(約527万円)で40年就業した場合に受け取り始める標準的な年金額(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))は23万円となっており、同調査の実収入金額とおおむね一致しています。 毎月の可処分所得である約21万3000円に対し、毎月の消費支出が約25万1000円と仮定した場合、1ヶ月で3万8000円、1年間では45万6000円の赤字となります。 この赤字が65歳以降ずっと続いた場合でも、貯蓄3000万円が底をつくのは約66年後となり、65歳以上の高齢無職世帯の平均収入と平均消費支出のケースでは、貯蓄3000万円で老後は安泰と言えるでしょう。