玉野光南は悔しい4位 プレミア勢の米子北に完封負け
第16回中国高校サッカー新人大会は17日、大会最終日を実施。3位決定戦では米子北(鳥取1)と玉野光南(岡山3)が対戦した。 【フォトギャラリー】米子北 vs 玉野光南 前日の準決勝では岡山学芸館に敗れたものの、自陣でのビルドアップから効果的にサイドに長いボールを入れて見せ場を作っていた玉野光南だが、この日は思い通りにゲームを運べない。MF14山﨑涼(1年)が「試合の入りから相手コートでプレーする機会が多かったので良かった」と話す通り、米子北は試合開始とともに縦に素早くボールを付けてパワフルな攻撃を展開。玉野光南は主将のDF2清水元徳(2年)が「押し込まれる時間が長かった。相手が蹴ってくる中で、自分たちがどう対処していくか話していた」と振り返るが、そう簡単にラインを押し上げることができない。 前半13分にはゴール前での競り合いが続く。DF7熊谷弾(1年)、MF20佐野聖也(2年)が競り合ったボールに最後、反応したのは山﨑。落下するボールを上手く左足ボレーで合わせて均衡を崩した。21分にはゴール前での混戦からこぼれたボールをDF26小西悠世(2年)が思い切りよく右足で決めてリードは2点差に。26分にもMF8柴野惺(2年)がミドルシュートを決めて、試合の大勢を決めた。 「最初の15分は耐えて相手に慣れようと思っていたのですが、最初の20分で2失点して、そこから崩れてしまった。ビルドアップにチャレンジしようとチームとして統一していたのですが、失点してしまって前への意識が強くなって、ロングボールが増えてしまった」。清水の言葉通り、前半は米子北の圧力に屈して、狙い通りにビルドアップできなかったことが玉野光南の反省点。後半に入ってからは本来の戦いを取り戻そうと、玉野光南の選手は自陣からの組み立てにチャレンジしようとする。 後半2分には左サイドをFW9西尾潤星(2年)に強引に抜け出され、肝を冷やす場面もあったが、何とか失点を回避するとここからは「0-3でハーフタイムを迎えた時点で、失点するかもしれないけど、この相手に1点を取りにいこうとチームの矢印が向いた」(乙倉健二監督)。司令塔のMF10森虹太朗(2年)を中心に自陣でボールを動かしながら、サイドに長いボールを入れて反撃のチャンスを伺うと、9分にはMF7北村雄河(2年)がゴール前を抜け出し、GKとの1対1となったが、GK1広川武寛(2年)の好セーブに阻まれた。 19分には右CKのこぼれ球を北村がヘディングで押し込んだが、再び広川が阻止。対する米子北も前がかりになった玉野光南をひっくり返す形でチャンスを作ったが、試合は動かず3-0でタイムアップを迎えた。
昨年と同じく大会最終日まで勝ち上がりながら、悔しい結果で終わった玉野光南だが、シーズンが本格化する前に米子北と対戦し、プレミアリーグの基準を知れた意味は大きい。乙倉監督はこう話す。「0-3と残念な結果になったのですが、子どもたちにとってはたくさん宿題がもらえた良いゲームになりました。僕がいくら叱ってもピンと来なかった部分を相手のおかげで教えて貰った。そういう意味ではこの大会をこの時期にやれて良かった」。まだまだ課題は多く見られるが今年の玉野光南は可能性を秘めた選手はいる。中国新人戦での戦いは、これからの飛躍に繋がっていくはずだ。 (文・写真=森田将義)