定期的な運動で「骨密度」が高くなる?米国の研究で明らかに
そもそも骨密度とは
米ベイラー医科大学の整形外科学助教授オマル・アタッシ医学博士によると、骨密度は骨の質を表している。「20代で骨密度が低い人は少ないですが、年を取ると骨が徐々に弱くなり、多孔質になっていきます」。アタッシ博士は、健康な骨を丈夫な間柱になぞらえる。それが「年を取ると、石膏ボードの壁のように穴だらけになって弱くなります。重い絵を飾ろうにも、石膏ボードの壁では支えられないので、間柱に釘を打ち込みますよね」。それと同じで、骨密度が低下した骨は、転倒や衝突の衝撃に耐えられなくなる。骨が間柱のように強ければ、ちょっと転んでもアザができる程度で済みますが、石膏ボードのように弱いとすぐに折れてしまいます」
骨密度を高めるためにできること
米国立医学図書館によると、カルシウムとビタミンDを摂取するのは骨にいい。でも、一部の習慣は骨のためにならないので要注意。米プロビデンス・セントジョン・ヘルスセンター付属パシフィック神経科学研究所で神経筋・神経診断学部長および転倒防止学部長を務めるウィリアム・バクストン医学博士によると、飲酒は骨粗しょう症のリスクを高める(ちなみに喫煙も)。 運動にプラスして「十分なカルシウム(乳製品やホウレン草のような緑の葉物野菜)とビタミンBを含む栄養価の高い食生活を送っていれば、骨折のリスクを抑えることができます」とタリア博士。 米国疾病管理予防センターによれば、かかりつけ医と骨を強くする薬について話し合うのはいいけれど、骨を弱くする薬の服用は避けるべき。
骨密度の改善に役立つ運動の種類
どんな運動も健康にいいけれど、一部の運動は骨密度の低下と骨粗しょう症の予防に特に効果的とされている。「骨の健康を維持して骨粗しょう症を防ぐ方法の1つは、体重負荷運動(自分の体重がかかる運動)をすることです」とバクストン博士。 タリア博士によると、ウォーキング、ガーデニング、階段の上り下り、ダンスといった骨に負荷をかけるアクティビティは、転倒を防ぎ、骨密度の低下を最小限に抑える上で役立つ。 自分の骨密度が不安な人や骨粗しょう症の家族歴がある人は、かかりつけ医に相談を。病院では、まず二重エネルギーX線吸収測定法(DXA法)という方法で骨をスキャンし、現在の状態をチェックすることが勧められるかもしれない。その結果に基づいて、骨密度を改善するためのアドバイスを受けるのは賢明なアプローチ。 ※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。