イエレン米財務長官、労働市場なお「健全」-データは減速を示唆
(ブルームバーグ): イエレン米財務長官は、米国の労働市場は依然として健全だと指摘。個人消費と投資支出は「非常に堅調」だと述べた。ただ最近のデータでは、幾分かの減速が示唆されている。
イエレン氏は5日、ノースカロライナ州ローリーで記者団に対し「ここ1年ほどの間に労働市場の逼迫(ひっぱく)は緩和されたが、現在の失業率は歴史的な基準から見れば非常に低いと考えられる」とし、「労働市場は良好かつ健全で、今後も雇用を創出し続けるというのが私の認識だ」と述べた。
8月の米民間雇用者数は2021年1月以来の低い伸びにとどまった。7月の失業率は4.3%に達し、昨年初めの水準から1ポイント近い上昇。7月の求人件数は減少し、2021年1月以来の低水準だった。
こうしたデータを受け、リセッション(景気後退)への懸念も高まっている。イエレン長官は米連邦公開市場委員会(FOMC)がいつ利下げするかについては発言を避けたが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が8月、利下げの時が来たと発言したことに言及した。また、市場に利下げ期待が広がる中で住宅ローン金利が低下してきていると指摘。今後さらに下がる可能性があるとも述べた。
原題:Yellen Says Labor Market Is ‘Healthy,’ Amid Unemployment Rise(抜粋)
--取材協力:Viktoria Dendrinou.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Jarrell Dillard