【大学野球】連覇の早大・小宮山悟監督「満点をあげていい試合」「彼らを誇りに思っています」76年ぶり早明優勝決定戦に完勝
◆東京六大学野球秋季リーグ戦 優勝決定戦▽早大4―0明大(12日・神宮) 2010年秋以来、14年ぶりとなる優勝決定戦は早大が明大を4-0で下し、2季連続、リーグ最多を更新する48度目のVを決めた。9日の早慶1回戦で5失点した来秋ドラフト候補のエース・伊藤樹(3年=仙台育英)が3安打完封の快投。楽天のドラフト1位、明大・宗山塁遊撃手(4年=広陵)を3打数無安打に封じ、76年ぶりとなる早明優勝決定戦を制した。早大は東京六大学の代表として明治神宮大会(11月20日から6日間)に出場。秋の大学日本一を目指す。 「サトル! サトル!」。無礼講のナインの声が心地よい。暮れなずむ神宮球場のど真ん中で、宙に舞った。早大・小宮山悟監督(59)は全体重をナインに預け、優勝の余韻に浸った。9日からの早慶戦で2連敗を喫し、どん底から臨んだ優勝決定戦。明大に完勝し、天皇杯を手中に収めた。 「土日の印出(太一主将)の言葉を借りれば『みっともない試合』…あの試合を反省し、どうすれば勝てるかを、選手が知恵を絞って、満点をあげていいぐらいの試合ができました。彼らを誇りに思っています」 伊藤がこれぞエースという快投を見せた。緩急を駆使して明大打線を散発3安打に封じ、無四死球と抜群のコントロールが光った。 「初回のボールを見て、土曜日(早慶1回戦)とは違うとは分かった。ただ、これができるなら土曜にやっとけよという話。でも本当に早慶1回戦以外は、本当に素晴らしい投球。11番にふさわしいピッチャーになったな、というふうに思います」 「優勝する資格のあるチームになる」というテーマを掲げ、ナインには厳しく接してきた。「本当に資格があるかどうかは、神宮大会で優勝できるかどうかに目標を置いている。準備を怠らず大会に臨みたい。今日はいい試合はできましたが、ミスがいくつか散見された。最後の試合が完成形と言い続けている。神宮大会の最後の試合がこのチームの完成形という位置づけになる。頑張らせます」と闘志をたぎらせた。 6月の大学選手権では決勝で青学大に敗れ、わずかに日本一へは届かなかった。「我々はとにかく決勝まで行って、もう一度青山学院に胸を借りて、春に勝てなかった相手になんとかリベンジしたい」。同じ相手に2度負けるわけにはいかない。いざ、秋の頂点へ。稲門の誇りを胸に、新たな戦いに向かう。(加藤 弘士)
報知新聞社