青木瀬令奈の14本の”クセ”がスゴ過ぎた! 1Wの先端を12ミリカット? 6Uが2本入っている!?
今季未勝利ながら、メルセデスランキング20位にランクインする青木瀬令奈。彼女のセッティングを撮影すると、面白いスペックを発見。その詳細をレポートしたい。 青木瀬令奈の14本全部見せます! FWとUTの打痕がスゴ過ぎた【写真】 ドライバーは『ゼクシオ エックス』ヘッドに『スピーダーNXバイオレット 40 SR』シャフトを使用。彼女がドライバーでこだわっているのが、クラブ長さだという。 「『スピーダーNXバイオレット 40 SR』はヘッドが戻ってきて、ちょうどいいタイミングでしなり戻るモデルです。打ちやすいと思います。ただ、ノーマルだとヘッドの動きを感じるので、チップカット(先端を短くする)を行ってテストを重ねました。以前使用したのが50Sの『VENTUS RED』だったのですが、『スピーダーNXバイオレット』では50SRを試したうえで、チップカットをしました。ただ、50g台だと重く感じたんです。なので、40g台を試したら、40Sだと動きが足りなくてタイミングを取れなかったんです。次に40SRで12ミリカットをやってハマりましたね。10本くらい試しました(笑)」 これだけシャフトの長さにこだわる女子プロも珍しいだろう。自分で感じて自分で調整できるのが彼女のスゴイところ。青木は3Wの『スピーダーNX バイオレット 50SR』シャフトでもクラブ長さにこだわったようだ。 「元々先が動くシャフトを使っていましたが、もう少ししっかりしてもいいのかなと思って、『スピーダーNX バイオレット 50SR』を使いました。その上でこだわったのが、チップカットの長さ。動きすぎて右から右に動くミスが嫌で、短くしたら上手く拾ってくれますね。12ミリカットを試していたんですが、タイミングが合わなくて、9ミリカットを試したらハマりました」 1Wと3Wは比較的重心深度が浅く、強い球を飛ばせるヘッドを使用。5W・7W・9Wではやさしく球がつかまって上がる深重心設計の『ゼクシオ10 2017』ヘッドを採用する点も、青木らしいチョイスだ。 「5W・7W・9Wは6年ぐらい同じモノを使っています。やさしく打てる安心感とヘッドが小さいのが好きなので。最近のクラブはどんどんヘッドが大きくなっているので、なかなか変えられない部分もあります。スピン量や自分の打点に応じたギア効果の度合いとか、長い間使っているので分かっているんです。ショートウッドは、私の生命線なので、ヘッドが割れるまで使うたいなと思っています」 また、UTは5・6Uでロフト25・28度の『スリクソン Z H65 2016』を使用しているが、その下にまた同じ6Uの『スリクソン ZX』を採用しているのが、不思議なところだ。 「もともと『スリクソン ZX』が出たときに6Uを試していて、FPが多いのか(刃が前に出ている)上に飛んじゃうので5ヤードぐらい飛ばなくて……。6Uの代わりに入れるには飛ばないかなと。逆にロフトを寝かせて(7番アイアン代わりの)7Uにできないかなと思ったんです。高さとスピン量が申し分ないから、ロフトを寝かしてみて、ロフト30度にしたらちょうど7番アイアンと同じぐらいの距離になりました。7番と比べるとスピン量が800回転ぐらい増えていた。キャリーが一緒でスピンが入るんだったら、7Uの方がいい。じゃあ7Uにしちゃおうと2年ぐらい前から使っています」 これだけ自分の強みと弱みを理解して、ギアをこだわって選ぶ女子プロも少ない。この感性の鋭さと強いこだわりこそが、非力な彼女が通算5勝を挙げられる秘密なのだろう。 【青木瀬令奈のクラブセッティング】 1W:ゼクシオ エックス(9.5度/スピーダーNXバイオレット 40 SR) 3W:スリクソン ZXi(15度/スピーダーNXバイオレット 50 SR) 5・7・9W:ゼクシオ10 2017(18・20・23度/アッタス COOL 6R) 5・6U:スリクソン Z H65 2016(25・28度/アッタス MB HB 65R) 6U:スリクソン ZX(30度) 8I:スリクソン ZXi5(N.S.PRO 750GHラップテック S) 9I・PW スリクソン ZXi7(N.S.PRO 750GHラップテック S) 50・58度:グラインドスタジオ プロト(N.S.PRO 850GH R) PT:オデッセイ Ai-ONE ジェイルバードミニ CS BALL:スリクソン Z-STAR ◆ ◇ ◇ ◇ 鈴木愛の14本は工夫だらけ。関連記事【鈴木愛の14本が面白過ぎた! なぜ1Wのロフト10.5度を9度に変えて使うのか? なぜ7Wを5Wの長さで使うのか?】を読めば、強さの秘密が分かります。