増加の一途 「大腸がん」になりやすい人の特徴はご存じですか? どんな症状を伴う?
大腸がんの原因やなりやすい人がどういう人か教えて
編集部: 大腸がんの原因はなんですか? 鈴木先生: 直接的な原因とは言えませんが、例えば高脂肪食や加工肉(ソーセージ・ハムなど)・赤身肉をたくさん食べたり、野菜・果物の摂取不足だったりとの、関連が指摘されています。 過度な飲酒や喫煙などもリスク因子です。さらには、加齢や肥満も関連があると言われています。 編集部: ほかには何かありますか? 鈴木先生: 糖尿病や潰瘍性大腸炎の方や食道がんと診断された方、家族に大腸がん・大腸ポリープの方がいる場合も注意が必要です。 編集部: 大腸ポリープであっても注意が必要なのですね。 鈴木先生: そうですね。さらには「大腸ポリープ」といっても種類があり、大腸がんと関連の深いタイプのポリープがあることがわかっています。 日本ではまだ明確な基準は定められていませんが、例えばアメリカの消化器病学会では、以下のポリープを切除した方は、大腸がんになりやすいと示しています。 ・早期大腸がんであった ・絨毛腺腫であった ・10mm以上の大きさの腺腫 ・SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)であった ・3個以上の大腸ポリープがあった 編集部: 最後に読者へのメッセージをお願いします。 鈴木先生: 大腸がんは、ほとんどが無自覚のまま発生して進行していきます。そのため、症状が出てきた段階では、すでに進行がんとなっているケースが非常に多いのが現状です。 40歳を過ぎたら、一度は大腸カメラを受けて、ご自身が大腸がんになりやすいタイプなのかを知ることが大切です。 また、大腸がんの前病変である大腸ポリープを早期に発見して早期に治療していくことで大腸がんの予防にもなるため、そういった意味でも定期的な大腸カメラをお勧めします。
編集部まとめ
大腸がんは増加傾向にあり、誰にとっても無関係ではない病気です。リスクを理解し、日常から予防と早期発見を意識することが大事とのことでした。 気になる症状のある人はもちろん、症状のない方も、40歳を過ぎたらまず一度、大腸カメラの検査を受けることをお勧めします。
【この記事の監修医師】 鈴木 謙一 先生(横浜ベイクォーター内科・消化器内視鏡クリニック 横浜駅院) 埼玉医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院や昭和大学横浜市北部病院消化器センターなどで経験を積み、2024年に横浜ベイクォーター内科・消化器内視鏡クリニック横浜駅院を開院、院長となる。日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医、日本消化管学会認定胃腸科専門医、日本内科学会認定認定内科医、日本消化器内視鏡学会認定上部消化管内視鏡スクリーニング認定医・大腸内視鏡スクリーニング認定医、日本ヘリコバクター学会認定H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医。
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