「03」表示で固定電話と誤解させる電話転送サービス、詐欺グループに提供容疑で闇バイト男2人を逮捕
市外局番「03」で始まる電話番号を表示する「電話転送サービス」を特殊詐欺グループに提供したとして、埼玉県警は31日、男2人を詐欺ほう助容疑などで逮捕した。同サービスを使った詐欺被害は9、10月に全国で約200件確認され、被害総額は3億円余りに上るとみられる。県警は、2人が「闇バイト」に応募し、犯罪に使う機器を用意する「道具屋」を務めていたとみて調べている。
逮捕されたのは、神奈川県平塚市、会社員の男(29)と、名古屋市中川区、会社役員の男(43)の両容疑者。
捜査関係者によると、両容疑者は9月、埼玉県所沢市の80歳代女性から現金300万円をだまし取った特殊詐欺グループに対し、犯罪に使われると知りながら、電話転送サービスを提供した疑い。
事件前、女性宅に親族をかたる人物から電話があり、県警が電話番号を照会したところ、会社員の男の関与が浮上した。2人はそれぞれ、「お金に困っている」などとSNSに投稿し、返信で持ちかけられた闇バイトに応募。2人に面識はなかったが、何者かの指示を受けて、会社員の男が東京都内に事務所を作り、会社役員の男が転送サービスに必要な電話交換装置などの機器をそろえた。約1500の電話回線を保有し、その5分の1が特殊詐欺に使われていたという。
電話転送サービスは、スマートフォンからかけても、発信元として「03」などの市外局番が表示されるため、相手に「固定電話から」と思わせることができる。