「『資格をとったら稼げる』という発想は捨てるべき」…税理士でさえ〈年収1,000万円超の人〉と〈年収300万円ちょいの人〉がいるという現実
「資格をとったら稼げる」という発想は捨てるべき
ただ、私がみなさんにいちばん伝えたいのは、資格や免許をとったとしても、それで簡単に稼げるという発想は捨てたほうがよいということです。 先ほどの「稼げない弁護士」の話ですが、それこそご飯すらまともに食べられないような弁護士は、仮に存在していたとしても大概の場合、自身のせいでそうなっていることが多いです。 通常、弁護士が仮に独立するとしても、まずは法律事務所に就職して数年修業し、実績やネットワークをつくってから独立することが大半です。対して、「稼げない弁護士」は修業せずに独立している人が多いのではないかと思います。社会人としての基本的なコミュニケーションができないなどの理由でどこの事務所からも採用してもらえず、独立せざるを得なかったケースも想定されます。 このようなケースでは、独立しても集客もできなければマーケティングもできない、案件を受けてもまともに処理できないため、弁護士の仕事以外のアルバイトをして生活の足しにせざるを得ない状況に陥るわけです。この原因は弁護士としての能力というより、社会人としての意識の問題と言えるでしょう。 資格や免許をとるということは、その職業に就くためのスタートラインに立つことでしかなく、そこから本当に頑張らなくてはならないのです。
プラスアルファのための資格取得
ここまで、資格・免許が必要な職業を取り上げてきましたが、会社員の資格取得について少しつけ加えましょう。 たとえば、英語の能力が重視される職場で働いていて、TOEICⓇで何点とったら月給にプラス数千円、といった手当てがつくケースがあります。稼げるというほどではありませんが、待遇としてはその分よくなり、やる気もアップするでしょう。会社に対して仕事への取り組み姿勢をアピールすることにもつながります。 会社勤務を続けながら資格にチャレンジするのは大変かもしれませんが、キャリアが広がる可能性もあります。資格が必要な職業であれ、会社員、あるいは公務員であれ、社会人になってからも意識を高くもち続け、努力を続けることが大切です。
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