「『資格をとったら稼げる』という発想は捨てるべき」…税理士でさえ〈年収1,000万円超の人〉と〈年収300万円ちょいの人〉がいるという現実
【コラム】「いちばん稼げる職業」は医者ってホント?
「稼げる職業」と聞いてみなさんが真っ先に思い浮かぶのは医師でしょう。厚生労働省が発表している令和3年賃金構造基本統計調査では、医師の平均年収は1,378万3,000円であり、この金額を聞いただけですごいなと思うでしょう。が、私の体感値では医師の稼ぎはもっと多いです。 なぜかと言うと、この統計の平均年収には医師と名のつく人が全部含まれているからです。国家資格をとったばかりでまだ独り立ちしていない若手の医師や、たとえば70歳を過ぎてのんびり開業医を続けている方も含まれます。家庭と両立したいから週3日だけ勤務する医師もいます。世のため人のために働く人が多いのでお金を重視しない医師も多いです。 一方で、お金にこだわって働けば、2,000万円以上は普通に稼げると思います。医師にはアルバイトの仕事があり、どこかの病院で臨時に働けるのですが(いわば副業)、その場合、時給は5,000円から2万円です。丸一日のアルバイトだと10万円ぐらい稼げます。普段、病院に勤務して1,000万円もらっている人が医師アルバイトを週2日続ければ、年間でプラス1,000万円は稼げる計算になります。 この金額は実際に医師の方から聞いたものなので、誇張でも何でもありません。私の周りにはたまたま医師の知り合いが多く、ご飯に行ったり話したりして聞いたことです。働き盛りの年齢であれば平均より稼いでいる人が多い、というのが実態でしょう。 小林 尚 個別指導塾CASTDICE 塾長、教育系YouTuber 1989年埼玉県生まれ。個別指導塾CASTDICE塾長。先取り・演習量を重視した独自の指導法で受験生をサポートしている。高校受験で開成高等学校に入学し、東京大学文科一類に現役合格。卒業後、経営コンサルティング会社の戦略部門を経て、株式会社キャストダイスを設立。得意領域は教育×コンサルティング。 YouTubeチャンネル「CASTDICE TV」では、受験情報にとどまらず職業・進路情報を高頻度で発信。著書に『開成・東大卒が教える 大学受験「情報戦」を制して合格する勉強法』(KADOKAWA)がある。
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