「完敗じゃないですよ」DeNA三浦大輔監督は記者の質問を遮り…日本シリーズ初戦“完敗ムード”の中で「ベンチに諦めムードがあったのでは…」
あと1点を防ぐ継投もあったのでは…
そのことをわかっているはずだからこそ、三浦監督も「完敗ムード」という単語に、反応してしまったのだろう。 ただ、「ならば」と思ってしまうのは9回、ソフトバンクに3点を奪われた場面だった。 2点を追う中でDeNAが継投に入ったのは5回2死一、二塁の場面からだった。 このピンチで先発のアンドレ・ジャクソン投手からバトンを受けた中川颯投手がソフトバンクの4番・山川穂高を三振に仕留めると、その後は1イニングずつ左腕の坂本裕哉投手、右の佐々木千隼投手、山崎康晃投手と繋いで迎えた9回である。 「負けている時点で、攻撃に転じないといけないので。あとは(投手の打席では)代打となるので繋ぎに転じていきました」 ここまでの小刻みな継投は予定通りと説明してくれたのは、大原慎司投手コーチである。 そして思惑通りに中継ぎ陣が奮闘して、2点差のまま9回に突入。そこで送り出したのが堀岡隼人投手だったが、その堀岡が捕まってしまった。 先頭の代打・嶺井博希捕手に中前安打、1死から周東佑京外野手にも中前安打を打たれて一、二塁とされ今宮健太内野手にタイムリー二塁打を浴びて2点を奪われてしまう。 そして川瀬晃内野手は何とか二ゴロに抑えて2死まで漕ぎつけたが、そこから栗原陵矢内野手に三遊間を破られてこの回3点目を許してしまったのである。 もちろん2点をリードされた展開であり、いわゆる“負けパターン”での堀岡の投入は間違いではない。ただ、その堀岡が痛打を浴びて、2点を奪われた場面だ。三浦監督が語ったように「ゲームセットまでは何が起こるかわからない。ゲームセットで勝ったか、負けたかが決まる」のであれば、投手をスイッチしてあと1点を防いでいく継投も考えられたのではないかということだ。 「延長考えたらそこまで(投手の)数を使えなかった。(ブルペンには)残り3人しかいなかったので、あそこで使ってしまうと……。あそこで例えばディアスを使ってしまうと、延長になったら残り2枚。明日、勝ちパターンになったら(回を)またがないといけない状況になる。正直、ジャイアンツ戦の疲れもみんなゼロではないので……」
【関連記事】
- 【あわせて読みたい】「データを見るのが好きなんですよね」DeNAを日本シリーズに導いたMVP捕手・戸柱恭孝が打倒ソフトバンクのカギを握る…CSで巨人を惑わせた配球
- 【こちらも】「このチームで勝ちたい」DeNA戸柱恭孝34歳が常にチームのピンチを救える理由…「試合に出ていないときにやれること」
- 【必読】「うん、この感じだな…」アクシデントで緊急登板も「スッと試合に入っていけた」DeNA7年ぶりの日本シリーズ進出には山崎康晃の経験が必要だ
- 【秘話】「めっちゃいいチームだよ」現役ドラフト移籍、DeNA佐々木千隼投手を救った言葉…「30歳、まだまだできるよ!」背水の陣で変えたものとは
- 【貴重写真】大谷17歳、まだガリガリだけど甲子園で衝撃の特大HR、ぷっくり捕手な村上。ガリガリな柳田、ヤンチャそうな学ラン姿の張本に無名時の山本由伸…名選手140人超の高校時代を見る