レッドブルF1代表の不適切行為を告発した女性従業員が、FIAへ苦情申し立て。問題はまだ鎮火せず
レッドブルF1のクリスチャン・ホーナー代表が女性従業員に対して不適切行為を行なっていたのではないかという問題が、新たな展開を迎えた。FIA(国際自動車連盟)へ当該従業員から正式に苦情申し立てが行なわれたことで、今後FIAも問題への関与を強めざるを得ないかもしれない。 【F1ハイライト】F1 2024第2戦サウジアラビアGP決勝 2024年シーズンも敵なし状態のレッドブルF1だが、チーム内では開幕前からゴタゴタが続いている。 今年2月、ホーナー代表が女性従業員への不適切行為をした疑惑が明らかとなり、本社のレッドブルGmbHによる調査を受けることになった。この調査では最終的にホーナー代表が“潔白”だったとされたが、その後多数のF1関係者に証拠と思わしき文書がリークされ、さらなる騒動へ発展した。 この情報リークを巡っては、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが関わった疑惑が浮上。マルコが停職処分を受ける可能性もあったが、ホーナー同様にマルコも処分は免れている。なお告発を行なった女性従業員はその後、レッドブルに停職処分を受けたことも分かっている。 そして一連の問題を巡り、さらに動きがあった。 女性従業員がF1などモータースポーツを統括するFIAに対し、モーターレーシングの行動規範に違反している可能性から苦情申し立てを行なったことが分かった。 これまでFIAはチーム内の問題であることから、積極的に問題に関わる態度は示してこなかった。しかし規範に対する違反行為があったとの申し立てを受ければ、FIAとしても動かざるを得ない可能性がある。 FIAは従業員を含む全てのFIA関係者が経緯と尊厳をもって平等に扱われることを保証する事を目的とした“反ハラスメント及び非差別方針”を定めている。そして違反を報告するためのホットラインもFIAには設置されている。 FIAは当該のレッドブル従業員から申し立てを受けたかどうかを明らかにしていない。ただ彼らの短い声明で、調査が行なわれている間は、いかなる声明も発さない方針であると表明している。 「FIAでは問い合わせや苦情はコンプライアンス・オフィサー、そして必要に応じて倫理委員会が受け付け、管理する」 「両機関は自律的に運営され、プロセスを通じて強固な守秘義務が保証されている」 「そのため、基本的に特定の苦情申し立てを受けたことを確認する事はできず、いかなる関係者から受けた苦情についても、これ以上のコメントをすることはできない」
Jonathan Noble