「虎に翼」の制作統括、「年を重ねても寅子のコアな部分は変わらない」
――新潟で登場した、片岡凜さん演じる森口美佐江は、異彩を放っているキャラクターでしたが、片岡さんを起用した理由と、実際に演技をご覧になった感想を聞かせてください。 「NHKのドラマにも出ていただいていて、お芝居がすてきなのはもちろんですが、Xの書き込みを見ていて、いろいろ考えていて面白い方だなと感じていて。美佐江は、大人の立場から見ると『どんなことを考えているか分からない少女』という役なので、片岡さんが演じてくれるとハマると思ってお願いしました。朝ドラは初めてということもあり、演出とじっくり話をしながらすごくいい美佐江を作ってくださいました」 ――片岡さんが「虎に翼」に出演が決定した時のXのポストは大変反響がありましたが、事前に何かご相談されたんでしょうか? 「特に相談はしていなくて、自由にやっていただいています。元々すごく面白いことを投稿される方なので、『今回も何か投稿するのかな…?』と思っていて、タイムラインを見て気付いた感じです」 ――寅子の父・直言を演じた岡部たかしさんの息子、岡部ひろきさんのご出演も話題になっていましたが、ひろきさんの起用の理由を教えてください! 「オーディションに来ていただいていて、お芝居を見てすてきだなと。たかしさんの息子というのは分かっていましたけど、ちょっとひねくれた若者である入倉始という役にピッタリだなと思ってお願いしました」 ――寅子の二番目の夫・星航一役として岡田将生さんが出演することになった経緯も教えてください! 「総力戦研究所にいた過去があって、戦争を背負っている人物であり、寅子のパートナーとして生きていく人ということで、『この繊細さを持った役を演じていただけるのは岡田さんだ』と思ってお願いしました。ドラマの大きな流れが決まった時にご相談をして、事前にしっかりとお話をして参加いただいた形です」 ――岡田さんのお芝居で印象に残っているシーンはありますか? 「第18週での、総力戦研究所のことと、そこで自分の背負ってしまった責任を吐露するお芝居は本当に素晴らしかったなと思って。長いシーンだったので、半日以上かけて収録をしたんですけど、演出とじっくり話をしながら、長いエチュードみたいなお芝居を作っていたところは、本当にすてきだなと思って見ていました」