「一人でも多くメンバーを泣かせろ」元AKB48劇場支配人が指示された「残酷なミーティング」の意図…「超一流の先生」が震えながら放った「言葉」の中身
覚悟を決めさせた「エール」
「ねえ、みんな、ステージから降りてくれる?」 最後のゲネプロを終えたメンバーたちに、夏先生が静かに告げた。20人のメンバーは戸惑いながらも、わずかな高さしかないステージを次々と降りていく。 「あなたたちは明日からお客様からお金をいただいてパフォーマンスを見せます。いまから言うこと、絶対に忘れないで」 夏先生の声が心なしか震えていた。 「手のひらからパワー、目からビーム、毛穴からオーラ。この3つを意識して、お客さんのほうをしっかり見ること」 そして一呼吸おいて、続けた。 「覚悟のある人だけが、このステージに上がってください」 彼女たちのこの1ヶ月間のレッスン風景が走馬灯のように駆け巡る。みんなまだ10代の女の子たちだ。うまく踊れず、泣いていた子もいる。それでも諦めず、必死に食らいついてきた。アイドルになるため、チャンスを掴むため、彼女たちは毎日がむしゃらだった――。 どのメンバーも目から涙をこぼしていた。そして、ひとり、またひとりとステージに上がっていく。 パフォーマンスはまだ未熟かもしれない。でも、このとき確かに、彼女たちは覚悟を決めた。何者でもなかった20人の女の子たちが、アイドルとしての第一歩を踏み出した瞬間だった。 後編記事〈「この子は…」篠田麻里子がAKB48の一期生オーディションに落選した「納得の理由」と地獄から這い上がった「想像を絶する行動」〉に続く。
戸賀崎 智信
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